横土俊之都市整備局長就任インタビュー 安心して暮らせるまちづくり 下水道管を特別重点調査(千葉県)
県土整備部の都市整備局長に4月1日付けで就任した横土俊之氏が本紙インタビューに応え、「県民が安心して暮らせるまちづくりを進めていきたい」と意気込みを語った。埼玉県八潮市の道路陥没を踏まえ、全国で実施する下水道管路の特別重点調査や、新たに6つの圏域を設定する都市計画区域マスタープランの改定に取り組んでいく考えを示した。
──就任の抱負を。
「局長として、大変身の引き締まる思い。都市整備局では都市計画課、市街地整備課、公園緑地課、下水道課、建築指導課、住宅課のほか、新設した宅地安全課の7課を所管する。いずれも県民の暮らしや住まいに直結する業務を担う。安心して暮らせるまちづくりを進めていきたい」
──重点的に取り組みたいことは。
「八潮市で発生した道路陥没を踏まえ、下水道管路の全国特別重点調査を着実に実施していく。管径2m以上で1994年度以前に設置された下水道管が対象となる。道路陥没現場との類似箇所や管路の腐食しやすい箇所を優先的に進め、県民の不安を払拭できるよう努めたい」
「都市計画区域マスタープランの改定に取り組んでいく。これまで主に市町村の区域ごとに策定してきたが、今回は新たに県内を6つの圏域に分け、圏域ごとの広域都市計画区域マスタープランとする。今年度は、市町村との間で設置した協議会において、検討を本格化していく」
「県内では、5月26日に盛土規制法に基づく、盛土の規制が始まる。静岡県熱海市で発生した土石流災害を契機とするもので、一定規模を超える盛土などの工事では許可が必要となる。今年度新たに設置した宅地安全課で、スムーズな運用を図る」
「第36回全国“みどりの愛護”のつどいが6月7日、松戸市内で開かれる。公園緑地の愛護団体や緑化保全団体など、緑の関係者が一堂に集う。滞りなく式典を開催するため、国や松戸市とともに準備していく」
──県施行の土地区画整理事業の進ちょくは。
「東京湾アクアラインの着岸地である木更津市金田西地区、つくばエクスプレス沿線の柏市柏北部中央地区、流山市運動公園周辺地区の3地区で進めている。インフラ整備や保留地の処分を着実に進めていきたい」
──老朽化した公園の再整備について。
「柏の葉公園では昨年度、県立公園として初めてパークPFI制度を活用したカフェやバーベキュー場がオープンした。山武市の蓮沼海浜公園や富津市の富津公園についても、施設全体が老朽化しているため、公園の特性や利用状況などを踏まえ、民間活力の導入を検討している」
──県営住宅の整備をどう進める。
「県営住宅は、住宅のセーフティーネットとしての機能を果たし続けなければならない。昨年度改定した県営住宅長寿命化計画に基づき、建て替えや修繕などの施設整備を計画的に進めていく」
──建設業界に一言。
「建設業は、県民の生活に欠かせない、社会基盤整備の担い手となっている。災害発生時には最前線で応急復旧や復興工事など、県民の安全・安心を守っていただいており、日ごろから大変感謝している」
「担い手不足や働き方改革など、建設業を取り巻く環境は大きく変化している。建設関連団体との意見交換などを通じて、建設業が持続的に発展していけるよう、取り組んでまいりたい」
プロフィル
よこど・としゆき
1965年生まれの60歳。90年3月に中央大学理工学部土木工学科卒業後、千葉都市モノレール建設事務所や都市整備局下水道課などでの勤務を経て、手賀沼下水道事務所長、江戸川下水道事務所長、下水道課長、都市計画課長、県土整備部次長などを歴任し、本年4月から現職。趣味は蕎麦打ちと渓流釣り。日ごろから心掛けている言葉は「明るく、楽しく、前向きに」。