事業費に179億円 新公会堂 基本構想等で中間報告(古河市)

[2025/4/25 茨城版]
 古河市はこのほど、第11回「(仮称)市新公会堂基本構想・基本計画市民委員会(委員長・小林真理東京大学院教授)」を開催。中間報告書を取りまとめ、市長に報告した。中間報告書では建設候補地に未来産業用地開発事業対象エリアの大堤地区を選定したほか、概算事業費は約179億円と試算している。基本構想・基本計画は夏ごろまでに策定し、市長に答申する見通しだ。

 基本構想・基本計画がまとまれば、本年度はPPP/PFI(民間活力)の導入を前提とした要求水準書や仕様書を作成する。また、管理運営計画の策定に着手するほか、事業者選定準備に入る見通しだ。27年度末までに事業者を募集・選定し、28-31年度で土地の造成工事や施設の建築工事に係る設計・施工を行い、32年度中の運用開始を目指していく。

 建設候補地は、十分な敷地面積を確保できることや、周辺の開発を含めた新たな賑わいの創出が期待できることから大堤地区を選定した。事業用地約17haのうち、新公会堂用地には約2・7haを見込む。施設建設は民間事業者が行う周辺の開発と一体的なものとし、具体的な建設場所は民間事業者の提案によるものとする。

 市が直営で実施する従来方式の概算事業費には約179億円程度を試算する。内訳は設計委託料に約8億円、建物整備(杭工事を含む)に約143億円、外構整備(駐車場670台)に約8億円、造成(地盤改良・用地取得を含む)に約12億円、調整池整備に約4億円、備品購入費に約4億円を見込む。

 施設機能は新公会堂の目指す姿と基本的な役割から、大ホールと小ホール、創造支援部門、共用部門の4つに整理。建物の規模は4階建て、延べ9920平方mを見込む。大ホールは客席数1300席程度で、2層バルコニー型の多目的ホール。少人数でも利用できるよう、1階席以外を隠せる設備を設置する。舞台は10間×8間以上の広さで、ホワイエ、楽屋、搬入口などを適切に配置する。

 小ホールは客席数330席程度で、移動観覧席(ロールバックチェア)を設置して、段床形式でも平土間形式でも利用可能な多機能型ホールとする。大ホールのリハーサル室を兼ねる計画とし、平土間スペースは大ホールの主舞台と同程度を確保する。

 創造支援部門は、市内の既存文化施設との機能分担を鑑み、高機能なスタジオ4室を設ける。共用部門は、ロビーとしての機能だけでなく、重ねづかいによりエントランスホールに情報・学習・展示スペースやアーカイブコーナーなどを確保する。そのほか、飲食機能や託児コーナーを設置する。また、4つの部門を取りまとめ、施設を適切に管理運営する管理部門を設ける。

 基本構想・基本計画策定支援業務は、シアターワークショップ(東京都渋谷区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVが担当。民間活力導入可能性調査報告書と基本構想・基本計画の策定を進めている。

 この中間報告を受け、市内3施設でパネル展やアンケート調査を行っている。また、27日には3施設で意見ヒアリングを実施する。5月11日には共和電設とねミドリ館で市民説明会(シンポジウム)を開催し、基本構想・基本計画の周知に努める。

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