江戸川に水辺空間 官民連携でカフェなど(松戸市)

[2025/4/17 千葉版]都市・地域再生等利用区域への指定想定範囲
 松戸市は、江戸川河川敷の「ふれあい松戸川」周辺で、水辺空間の活用に乗り出す。河川管理者の国から「都市・地域再生等利用区域」の指定を受けることで、官民連携手法などを活用し、休憩施設やトイレ、オープンカフェなどを整備することを想定している。2025年度の当初予算には、事業費として1000万円を計上しており、水辺空間の有効活用に向けた基礎調査に着手する方針だ。

 国土交通省では、河川敷地における規制緩和で地域活性化と河川管理の効率化を図るRIVASITE(リバサイト)の取り組みを進めている。市では同制度を活用し、憩いや安らぎを提供する良好な水辺空間を形成することを計画している。

 想定しているエリアは、市内の河川水を金町浄水場の取水口下流にバイパスする目的で1998年度に整備された、ふれあい松戸川(約6km)周辺。市内の河川環境の改善に伴い、流水保全水路としの役割は終了し、周辺には豊かな生態系が形成されている。

 水辺空間の整備はハードとソフトの両面から進め、ハード面では、国(江戸川河川事務所)が管理通路や護岸など河川管理施設を、市や民間事業者がベンチなど休憩施設やトイレなど利便施設を整備する。

 一方、ソフト面では、河川敷の占用許可を受けることで、オープンカフェや売店など、さまざまな機能を導入することを想定している。

 都市・地域再生等利用区域は、河川空間のオープン化を目的に、地元市町村からの要望を受け河川管理者の国や県が指定する。県内では国により今年3月に利根川(香取市佐原地域)が、県により17年10月に新坂川(松戸市新松戸)が指定されている。

 国指定の占用期間は10年間で、満了後10年間の更新が可能。占用にあたっては、河川管理施設の整備や占用区域外の清掃・除草などを実施することが条件となる。

 香取市佐原地域の指定エリアは、「道の駅水の郷さわら」周辺の利根川右岸、占用主体は香取市。飲食施設や親水施設の整備など、水辺空間を利活用した魅力的な施策を、民間活力によって実施する方針を示している。

 なお、河川敷地の活用が可能と想定される箇所を抽出した国交省の「ポテンシャルリスト」には、江戸川8カ所(松戸市・野田市)、利根川1カ所(栄町)、常陸利根川1カ所(香取市)の県内10カ所が登載されている。

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