霞ヶ浦浚渫を推進 事業概要 青宿地区で無堤防対策(霞ヶ浦河川)

[2025/4/16 茨城版]
 国土交通省霞ヶ浦河川事務所(中﨑薫所長)は、本年度の事業概要をまとめた。事業費は42億0500万円で、前年度当初比12.7%の増額となった。内訳は、河川改修費に4億4400万円(前年度当初比22.3%増)、総合水系環境整備事業費に21億2400万円(同26.1%増)、受託工事費に6億3400万円(同11%増)などを確保。無堤部対策として青宿地区の堤防整備を進めるほか、総合水系環境整備事業では霞ヶ浦浚渫関連工事や水辺整備事業などを実施する。

 同事務所では、霞ヶ浦の流域自治体と連携し、「霞ヶ浦沿岸地域の安全・安心」と「清らかで豊かな湖沼環境」に向けた治水や利水、環境整備の取り組みを進めている。「霞ヶ浦沿岸地域の安全・安心」では、堤防未整備区間での堤防整備による浸水被害の防止を図るほか、堤防除草や河川管理施設の点検整備などによる霞ヶ浦の適正な管理を行う。「清らかで豊かな湖沼環境」に向けては、霞ヶ浦浚渫による浚渫土埋立地の返還に向けた整備と、北浦水質浄化対策やリバースポット利用状況などのモニタリングを実施している。

 河川改修事業では、無堤部対策として引き続き青宿地区の堤防整備を進める。対象は陸上自衛隊武器学校のある霞ヶ浦右岸の青宿地区(阿見町)で、この場所は霞ヶ浦で唯一の堤防未整備区間となっている。本年度は下流側から整備を進める計画だ。発注見通しによると、第2四半期に「R7西浦右岸青宿地区管理用通路整備工事」を一般競争入札で発注する。工期は8カ月間で、捨石工600立方mや間詰栗石520立方m、袋詰根固1200個などを行う。工事発注規模は1億円以上2億円未満としている。

 総合水系環境整備事業では、霞ヶ浦浚渫関連工事などを推進する。霞ヶ浦浚渫事業は、入負荷量の増大などにより水質悪化を受けて浚渫により底泥からのリン・窒素の湖水への溶出を削減し、水質改善を図るもの。1992年から進めていた大規模浚渫工事は12年度までに完了している。その後は稲敷市西の洲・甘田入地区の返還に向け、浚渫土を干拓地用の嵩上げとして再利用する工事に着手。16年度にはこれまで実施していた小高地区の浚渫土埋立地返還が完了した。

 本年度は引き続き西の洲・甘田入地区の変換に向けた整備を進める。発注見通しによると、第1・2四半期に計5件の基盤整備工事を一般競争入札で発注する。このうち、第2四半期に発注する「R7甘田入第15地区基盤整備工事」では、整地工(基盤整地・盛土約3100立方m)や盛土工(約5万2000立方m)購入土(サンドマット工約8500立方m)、地盤改良工などを行う。工期は12カ月間で、発注規模は3億4000万円以上8億1000万円未満とする。

 このほか、同事務所の会議・宿泊棟などの改修へ、「R7霞ヶ浦河川事務所会議・宿泊棟建築改修工事」を第1四半期に公募型指名競争入札(標準タイプ)で発注する。工事では会議・宿泊棟解体や新設壁施工、構内整備などを行う。工期は7カ月間で、発注規模は3000万円以上7000万円未満としている。

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