水害のない街づくりPT 乗川で内水対策検討 (千葉県茂原市)
茂原市水害のない街づくりプロジェクト・チーム(PT)会議の第2回会合が11日、市役所で開かれ、さらなる内水対策の検討状況が報告された。対策の対象となる一宮川水系28カ所のほか、内水区域4カ所や乗川で内水対策の必要性を検討していく方針が示された。年度内に成果をとりまとめたい考えだ。
同市は、2023年9月に一宮川流域で発生した大雨による浸水被害を踏まえ、さらなる内水対策の検討業務を三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)に委託。PTに設置したワーキンググループ会議で具体的な対策を検討している。
会議はこれまで2回開かれ、氾濫解析モデルを作成し、再現計算を実施するとともに、内水と外水の氾濫割合を算出した。その結果、検討対象となる28カ所のほか、新たに内水区域4カ所と南白亀川水系の準用河川乗川でも対策の必要性を検討することとなった。
会議ではこのほか、一宮川水系が特定都市河川に指定されたことに伴い、県と流域6市町が実施主体となる流域水害対策計画の策定を進めていることが報告された。計画に盛り込む法定14項目を整理しており、パブリックコメントや市町村長の意見聴取、大臣同意協議などを経て、年度内の策定を目指している。
同市の組織改正では、土木建設課の河川整備係を流域治水対策室に格上げすることで、浸水対策の一体的な取り組みを進めるとともに、「水害のない街づくりプロジェクト・チーム」を所管している。
このPTは水害に関する情報を庁内で共有することにより、内水対策や田んぼダムなどの対策を加速化するとともに、これらの取り組みを市民に“見える化”するため、24年12月に発足した。メンバーは白井高都市建設部長をリーダーとし、土木建設課、土木管理課、都市計画課、建築課、下水道課、防災対策課、農政課の幹部職員で構成している。
茂原市内では平成以降、一宮川流域で5回の浸水被害が発生し、床上・床下浸水などの甚大な被害を受けた。県は流域市町村が実施する内水対策や土地利用施策と連携した「一宮川流域治水対策特別緊急事業」を進めている。