国土強靭化に55事業 25年度/3地区の冠水対策など(宮城県 石巻市)
[2024/4/8 宮城版]
石巻市は、国土強靭化地域計画に基づいて2025年度に実施する主な事業をまとめた。事業数は55件で、住宅都市など8つの施策分野に分けて整理している。住宅都市分野では中里、貞山・錦町、築山の3地区で緊急冠水対策事業を進めるほか、前谷地小学校の体育館改築事業などを実施する予定だ。
市は2021年3月に市国土強靭化地域計画を策定し、23年4月に改定した。今回は同計画第2章「脆弱性の評価と国土強靭化の推進方針」に基づき、25年度に実施する事業や取り組みについて、同計画の別冊としてとりまとめた。
25年度における施策分野別の事業数は、行政機能・情報通信等が5事業、住宅・都市が18事業、保健医療福祉が1事業、環境が1事業、農林水産が5事業、交通・物流が10事業、市土保全が7事業、リスクコミュニケーション・地域づくりが8事業。
行政機能・情報通信等分野は、消防団ポンプ置場の整備事業やテレビ共聴施設整備事業、市広域避難計画概要版の改訂事業などを進める。
住宅・都市分野では、中里地区の冠水対策事業として延長400mを対象に側溝を入れ替えるほか、貞山・錦町地区で排水ポンプの設置、築山地区で雨水管の敷設を行う。
貞山・錦町地区は、JR山下駅から石巻クリニックまでの間で大雨時に冠水しやすくなっている。通常は側溝や排水路から自然流下で雨水を流しているが、新たに排水ポンプを設置して強制排水する。ポンプは別の場所で使っていた口径300mmのものを再利用する考え。
昨年度はポンプを入れるピットの設置工事を絆興業(石巻市)に発注した。ポンプの設置工事も発注を試みたが不調に終わったため、本年度に再発注する。
貞山地区では将来的に雨水幹線の管渠を新設する計画になっており、それまでの措置として排水ポンプを用いる。幹線管渠の基本設計業務は日水コン(石巻復興事務所・石巻市)に委託した。
築山地区は、東西に延びている既存の雨水管から、90度に折れて石巻港雨水排水ポンプ場に雨水を呼び込む計画になっているが、大雨が降るとどうしても水が折れずに西の方へ真っすぐ流れて釜排水機場にいってしまう状況にある。
そうなると釜排水機場では排水しきれなくなるため、途中でバイパス管を敷設して石巻港雨水排水ポンプ場の方に水を戻すようにする計画だ。バイパス管は管径300mmで、上流側と下流側に延長10mずつを敷設する。この敷設工事を本年度に発注する予定。
住宅・都市分野ではこのほか、公共下水道事業、公営住宅等の長寿命化事業、ため池整備事業、狭あい道路整備事業、学校給食センターの建設事業などを進める。
農林水産分野では、10漁港で漁港施設改良事業、11漁港で水産物供給基盤機能保全事業を行うほか、県が行う漁港機能増進工事や農地整備事業に負担金を支払う。
交通・物流分野では、道路ストック長寿命化事業、避難路整備事業、東中里橋整備事業、単独線の道路改良事業、山崎馬鞍線の道路改良事業などを実施する。
市土保全分野では、本地第一ため池と寒風沢(2)ため池の安全対策施設整備を行うほか、造林事業、森林環境整備事業、松くい虫被害木の伐倒駆除などを進める。