国土強靭化に324施策 第1次実施中期計画の素案(内閣官房)

[2024/4/1 宮城版]
 内閣官房は、第1次国土強靭化実施中期計画の素案をまとめ、ホームページに公表した。計画期間は2026~30年度の5年間。この期間内に実施すべき施策として324施策を示した。施策の柱には「防災インフラの整備・管理」や「ライフラインの強化」、「デジタル等新技術の活用」、「官民連携強化」、「地域防災力の強化」の5本を据えている。今後にパブリックコメントなどを経て6月ごろの計画決定を目指す。

 素案では同計画を第1~5の5章で構成。1章は基本的な考え方、2章は計画期間、3章は計画期間内に実施すべき施策、4章は推進が特に必要となる施策、5章はフォローアップと計画の見直しとなっている。

 基本的な考え方では、防災・減災、国土強靭化の取り組みの切れ目ない推進が必要とし、近年の災害や、これまでに取り組んでいる5カ年加速化対策の効果を踏まえつつ、状況の変化に応じた対応として、埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえたインフラ老朽化対策の推進や、「半島防災・強靭化」等の推進、革新的技術による自動化・遠隔操作化・省人化などを挙げている。

 これらを踏まえて計画期間内に実施すべき施策として「防災インフラの整備」に57施策、「ライフラインの強靭化」に107施策、「デジタル等新技術の活用」に55施策、「官民連携強化」に63施策、「地域防災力の強化」に69施策を盛り込んだ。

 このうち、推進が特に必要となる施策には、「防災インフラの整備・管理」が28施策、「ライフラインの強靭化」が42施策、「デジタル等新技術の活用」が16施策、「官民連携強化」が14施策、「地域防災力の強化」が17施策で、計116施策を選んだ。

 主な施策を見ると、「防災インフラの整備・管理」は、関係省庁の枠を超えた流域治水対策等の推進や、中小河川も含めた洪水・内水ハザードマップ等の充実、予防保全型メンテナンスへの早期転換など。

 「ライフラインの強靭化」は、上下水道システムの耐震化を始めとした耐災害性の強化や、送電網の強化と自立分散型の電源・エネルギーの活用、広域支援に不可欠な陸海空の交通ネットワークの連携強化などに取り組む。

 「デジタル等新技術の活用」は、一元的な情報収集・集約・提供システムの構築や、フェーズフリーなデジタル体制の構築などを進める。

 「官民連携強化」は、密集市街地や地下街等の耐震化・火災対策の推進、国土強靭化と地方創生の一体的推進による地域防災力の強化などに努める。

 「地域防災力の強化」は、避難所や教育の現場となる学校の耐災害性の強化、避難所等における自立分散型の電源・エネルギーシステムの構築などを行う。

 これら推進が特に必要となる施策は、30年度までに達成すべき数値目標も盛り込むことにしている。例えば予防保全型メンテナンスへの早期転換では、緊急または早期に対策を講ずべき橋梁の修繕措置率(指標)などを設定する考え。

 このほか、対策の事業規模についても今後に設定する。今後5年間でおおむね必要となる金額のめどを示すとともに、資材価格や人件費の高騰などの影響に関して予算編成過程で適切に反映するように記す。

 フォローアップと計画の見直しでは、毎年度の年次計画を通じたフォローアップを実施する。災害から得られた知見の継承や、対策の課題と効果のとりまとめ・発信なども行う。

 第1次国土強靭化実施中期計画の素案は、28日に都内で第13回の国土強靭化推進会議(議長・小林潔司京都大学名誉教授)を開き、有識者らに示した。次回会合は6月ごろに開催する予定。

25年度の計画案も示す

 第13回の国土強靭化推進会議では、国土強靭化年次計画2025の素案も示した。25年度の事業規模は約2兆3200億円(今後に追加計上予定)で、道路ネットワークの機能強化対策や、道路における防災拠点機能の強化、道路橋梁等の耐震機能強化、上下水道施設の耐災害性強化などに取り組む。

 25年度は、防災・減災、国土強靭化5カ年加速化対策の最終年度に当たる。5カ年の事業規模はおおむね15兆円程度で、このうち24年度補正予算までで約14兆3000億円を確保している。

 25年度の事業規模は約2兆3200億円だが、これは国の24年度補正予算で確保した分までしか含まれておらず、民間事業者の事業分を今後に追加計上する予定。

 25年度の主な施策は、道路や上下水道の機能強化以外に、港湾施設の耐震・耐津波・耐浪化の推進や、学校施設の安全確保、強靭化を担う建設業の担い手確保に関する対策などを進める。

 なお、5カ年加速化対策の達成見込み状況については、161施策のうち24年度の年次計画時点で、当初設定した目標を達成する見込みが97施策(60%)、課題への対応次第で達成の見込みが56施策(35%)、達成困難の見込みが8施策(5%)となっている。

 達成見込みは民間事業者の事業なども含めて精査中であり、次回の第14回会合で最新の達成見込みを示すことにしている。

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