現地で全面建替へ 地方卸売市場の再整備(柏市)
[2025/3/29 千葉版]
柏市は、公設総合地方卸売市場の再整備について、施設全体を現地で建て替える方向で検討している。2025年度中に、事業手法や財政収支予測、施設配置案などの検討を進め、パブリックコメントを経て、基本計画としてとりまとめる方針だ。官民連携の可能性や市場の活性化案などアイデアを把握するため、4月からマーケットサウンディング調査を実施する予定だ。
再整備にあたっての基本方針は、3月28日に開催した「柏市公設総合地方卸売市場運営審議会」(会長・野田勝二千葉大学環境健康フィールド科学センター講師)で示された。
再整備の範囲は、市場機能の改善・強化を図るためにも、全面建て替えを基本とし、建て替えの順序は、老朽化の進行度合などを考慮して検討する。
建替場所は、現市場の周辺に市場関係者の事業所などが集積していること、集出荷や買い出しに便利な立地などから、現地建て替えを基本とし、取引拡大や市場の活性化に向け機能を強化する。
青果部や水産部など取り扱いに応じた施設規模に最適化し、新たな収入源となる企業誘致などに向け用地を確保するため、施設を集約化、複合化する。
用地の活用にあたっては、市場の活性化や税収・雇用なども総合的に考慮し、PPP・PFIの導入を検討する。
国道16号に近接している立地優位性などを活かし、災害時の支援物資の拠点としての機能を強化する。
審議会では、委員から、「市場の重要性をもっと市民に知ってもらうことが大切」「インバウンドへの対応も必要」などの意見があり、市担当課からは、24年度から一般開放を実施するなど「市民に親しまれる市場化」に向け取り組んでいることが説明された。
市場の再整備を検討するため、市場内関係者のワーキンググループ(WG)をこれまでに15回開催している。
WG開催支援など基本計画策定支援業務は、流通研究所(神奈川県厚木市)が担当している。履行期限は26年3月まで。
22年度に併設道の駅の可能性調査を実施したものの、385台分の平面駐車場が必要との結果が示されるなど、多くの課題があることが明らかになり、再整備が適切と判断した。