早期の誘導路複線化 ターミナルビルは段階的拡張(茨城空港促進協)

[2025/3/28 茨城版]
 茨城空港利用促進等協議会(座長・平田輝満茨城大学大学院教授)は21日、茨城空港のあり方検討会の第4回会合を開催した。検討会では茨城空港の将来ビジョン案について協議し、旅客数の目標と取組スケジュールを提示。29年度末までに着手する短期目標として、取付誘導路の複線化などをあげた。ターミナルビルについては段階的に拡張する方針。

 旅客数をみると、コロナ禍前の19年度は約78万人で、23年度は約75万人まで回復。29年度までに約110万人、39年度までに約150万人、49年度までに約170万人を目標に設定し、インバウンド誘致や航空会社への働きかけを行う。

 目標旅客数を円滑に受け入れるため、ハード・ソフト面の環境を整備する。滑走路では就航機材の需要に応じて必要な舗装厚を確保。誘導路は29年度までに2本目の取付誘導路を整備し、出発機と到着機の導線を分離して遅延の縮減を図る。平行誘導路は整備効果を検討しつつ、乗り入れ需要を考慮し整備する。

 駐機場は長期目標に設定し、スペースの拡張のほか、給油施設(燃料タンクなど)、給油体制、グランドハンドリング体制の確保を計画。ターミナルビルについては1時間に国内・国際線各2便以上の航空機を円滑に受け入れるため、南側への段階的な拡張を予定している。

 駐車場ではターミナルビルに近接する第1、2駐車場の立体化を検討する。29年度までに無料、有料化のメリット・デメリットを整理し、利用者の利便性向上につながる運用方法を決定。

 このほか、長期の取り組みとして脱炭素化に向けた空港建築施設の省エネ化を推進。空港車両のEV化や施設への太陽光発電の導入などを計画している。

 空港機能拡張に向けては空のえき「そらら」や小美玉市が整備を計画する新交流拠点との連携を強化し、旅客と地域住民との交流を促進。ビジネスジェットの受け入れや空港アクセスの向上にも継続して取り組む。

 また、航空ネットワークでは中部方面や東南アジア、欧州・北米への拡大を目指す。具体的な就航場所については今後検討していく。

 検討会では安全に配慮した機能拡張に留意すべきとの意見があったものの、方針はおおむね了承されたという。今後は検討会としての将来ビジョン案を決定し、4月にも県へ提言。その後1カ月程度のパブリックコメントを経て、6月ごろにとりまとめる。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.