県道路公社 仙台松島道路VIII期に着手 松島大郷IC 改造事業に150億円(松島海岸IC)
[2024/3/26 宮城版]
県道路公社(仙台市青葉区)は、仙台松島道路(三陸沿岸道路)の第VIII期事業として、松島大郷IC(インターチェンジ)と松島海岸ICの機能改善事業に着手した。松島大郷ICにランプ橋2カ所、松島海岸ICにランプ橋1カ所を整備する。国土交通省から事業の許可を受けたことから、これから用地取得に向けた地権者との交渉に入り、2~3年後の工事着手を目指す。総事業費150億円で、2032年度末の完成予定だ。
同公社の運営する有料道路事業「仙台松島道路」は、利府中IC(利府町)から鳴瀬奥松島IC(松島町)までの延長18.3km。4車線化事業が2014年度までに完了している。三陸沿岸道路の全線(仙台市~青森県八戸市)は2021年度に開通した。
今回の第VIII期事業は、交通量の増大に伴っての渋滞緩和とご侵入防止を目的としている。松島大郷ICの出入口と料金所を集約するのに103億円、松島海岸ICの立体化に47億円を見込む。
これまでに、ランプ橋と道路部の詳細設計、交通量調査などを進めてきた。昨年には、都市計画の変更手続き、道路管理者である県の同意を得て、国土交通省から昨年末に有料道路事業の変更許可を受け、事業着手が可能となった。
松島大郷IC 鋼製箱桁ランプ橋2カ所を整備
松島大郷ICは、出入口と料金所が3カ所に分散し、進入経路が複雑になっている。2023年度だけで誤進入が85件発生した。
このため、現行の下り線入口を活用して、料金所を1カ所に集約する。新たに、上り線入口となるAランプ橋(4径間鋼箱桁198m)と上り線出口のBランプ橋(同172m)、下り線出口のDランプを整備して、トランペット型ICに改造する。現在の下り線出口と上り線入口それぞれのランプ橋、料金所は廃止する。
これに伴う、工事量はランプ橋2カ所(A・B)と切土工(約30万立方m)、盛土工(約17万7000立方m)、函渠工1カ所、舗装工(約2万5000平方m)、料金所1カ所、管理棟1カ所となる。
A・Bランプ橋の詳細設計はエイト日本技術開発(東北支社・仙台市若林区)、道路の詳細設計を復建技術コンサルタント(同市青葉区)に委託している。IC全体の予備設計は八千代エンジニヤリング(同区)で担当した。
松島海岸IC 立体構造に改修
松島海岸ICは、下り線の出口と入口が平面交差であり、IC内に信号がある。観光シーズンなど交通量の多い時期は、本線まで車両が滞留し、渋滞の原因となっている。新たに、下り線入口となるCランプ橋を整備して、交通の円滑化を図る。
工事内容は、Dランプ橋(橋長368m)や切土工約4000立方m、盛土工約2万0400立方m、舗装工(約1万1000平方m)となる。橋梁と道路の詳細設計はエイト日本技術開発で担当している。