あいホームが宅地開発 柳の目南工区の2.6ha(宮城県 東松島市)
[2024/3/22 宮城版]」
東松島市は19日、市中小企業・小規模企業振興会議を開催した。この中で渥美巖市長は、柳の目南工区で民間事業者が80戸の住宅開発に乗り出すことを紹介。市によるとこの事業者はあいホーム(富谷市)で、地権者の了承を得て宅地開発を進めるとのことだ。
柳の目南工区は、住所が赤井字南一他で、面積が2.6ha。現地は主に農地となっている。三陸沿岸道路の石巻港インターチェンジや、JR仙石線石巻あゆみの駅などが近くに位置している。市街化調整区域だが拠点法の網をかけている。
当初は市が宅地造成する方向で、基本計画策定業務を国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。この業務で概算事業費などを算出した結果、市が造成すると安価な住宅地を提供することが困難になると判断。民間活力の導入が望ましいという結論に至った。
柳の目地区は、南工区のほか、北工区の3.3haと、中工区の9.6haに分かれている。北工区はすでに市が産業用地として造成し、自動車関連の3社が立地した。中工区はヨークベニマルが開発し、複合商業施設を新設する計画になっている。ここも市街化調整区域だが、拠点法の網をかけており、ヨークベニマルが開発・出店した後に市街化区域に編入する考え。
複合商業施設は当初の計画だと今月31日に営業を開始する予定だったが、まだ着工に至っていない。渥美市長は「当初の予定より事業費が大幅に上がっている状況もあり、計画が中断している。いずれ出てくると思う」と話した。
さらなる市街地の拡大にも意欲を示す渥美市長は、矢本地区、赤井地区、大曲地区の市街地に隣接している場所が候補になることを紹介。小野地区では旧市営牛網別当住宅の跡地に戸建ての住宅地を整備するため、2025年度にプロポーザルで開発事業者を募る意向を示した。
運送業者が倉庫など建設
19日の市中小企業・小規模企業振興会議では、市内の「みそら工業団地」に一般貨物自動車運送業の2社が倉庫や事務所の建設に着手する計画も紹介された。1社は東部運送(東松島市)で、もう1社がベストワーク(石巻市)。市は月内の着工予定と紹介しているが、東部運送は4月以降にずれこむ見込み。
市によると東部運送は、すでに同団地内に立地しており、現在の敷地の隣接地に倉庫などを増設する計画。場所はみそら2丁目13-2で、敷地面積が約6600平方m。
ベストワークは、みそら2丁目13-1の区画に建築面積が100平方mの事務所や、車両置場を設ける計画。敷地面積は約4100平方m。市によると石巻営業所の移転で、夏ごろの竣工を予定している。従業員は約20人。
みそら工業団地は4区画がまだ空いており、市が立地企業を随時募集している。
産業用地の開発へ
19日の市中小企業・小規模企業振興会議には、東松島市商工会の橋本孝一会長ら8人の委員と、市側から渥美市長ら6人が出席。市が「地元商工業の活性化」や「企業誘致の推進」、「地域の商工業を支える担い手の育成と創業支援」に向けた24年度の取り組み状況を報告するとともに、25年度の取り組みを説明した。
最初に渥美市長が各委員に委嘱状を交付した。委員の任期は2年。会長には橋本孝一氏が選任された。橋本会長は中小・小規模企業が「国や市の補助金を大いに活用し、企業の負担をなるべく軽減しながら雇用創出や賃金アップに努めることが一番」と説いた。
市が予定している25年度の主な取り組みは、各種融資制度や事業継承個別相談会の開催、民間企業と連携した産業用地の確保、「ひがしまつしまし3割増商品券発行事業」など。
このうち、産業用地の確保では、大塩引沢地区の12.83haと小松上二間堀地区の11.79haを候補地に挙げており、官民連携での開発整備に向け、関係者との協議などを行う。
なお、市は25年度に市中小企業・小規模企業振興基本計画を見直す。見直し作業は外部に委託せず、庁内で行う。同同計画の上位計画である市総合計画も計画期間が25年度までのため、25年度に見直し作業を進める。