歩道橋設置を要望 国道4号矢板拡幅 宇都宮国道に要望書を提出(矢板市)

[2025/3/20 栃木版]

 矢板市の森島武芳市長は19日、宇都宮国道事務所を訪れて、笹木和彦所長に一般国道4号矢板拡幅に伴う歩道橋の再設置に関する要望書を提出した。これに対し、笹木所長は歩道橋を再設置する方向で考えていると明らかにし、地域住民に愛称を募集するなど愛着がわく歩道橋にしていく考えを示した。同事務所は、この歩道橋の詳細設計などの業務を公告中で、4月3日の開札を予定している。

 この日の要望活動には、矢板市から森島市長のほか柳田豊建設部長と沼野英美都市整備課長が参加し、宇都宮国道事務所は笹木所長と森芳徳副所長が対応した。

 要望書を笹木所長に手渡した後、森島市長はあいさつで「市外や県外の方から渋滞の矢板と言われるので、これを解消してもらえる国道4号の大型事業は歴史的タイミングと思っている。これに合わせて県とも連携し、県道や市道の整備も検討して、生活者を守り経済の発展に資する道路をつくりたい」と述べ、要望書の内容を説明した。

 要望書によると、現在の中北歩道橋は中周辺地域の入居者増加に伴い1999年に設置され、矢板東小学校や矢板中学校の通学に利用されるほか、自転車利用の高校生や道路の横断に不安を感じる高齢者などの周辺住民が国道4号を横断する際に安全を守る施設として大きな役割を担っており、24年の8月には地元行政区から再設置の要望書が提出された。

 矢板市としても、19年度に都市計画事業承認となった一般国道4号矢板拡幅(計画延長6.5km)は交通渋滞の緩和、交通安全の確保、地域産業の支援、災害時救急時の速達性・代替性の確保などの目的で事業を施工して、県道の道路改良事業も検討されている中、どのような道路構造でも歩行者が安全に渡ることができる歩道橋の再設置について強く要望した。

 これを受けて、笹木所長は日頃の事業連携に感謝を述べたあと「元々あった機能を確保することは重要と考え、地域が必要とし活用されるのであれば、詳細の構造や市道・県道との調整もあるが、歩道橋の再設置は実施する方向で考えている」と述べ、「市のお考えは充分に認識しているので、連携しながら作っていきたい」との考えを示した。

 また、「新歩道橋の架け替えの際には、地域住民の方に橋の愛称を募集したりイベントなどを行い、いつまでも愛着がわき大切に使ってもらえるような歩道橋にしたい」と話し、森島市長も「これで地域住民に安心してもらえるし、イベントは地域住民に喜ばれるものにしたい」と笑顔を見せた。森副所長も、西那須野の道路に架けた歩道橋を地域の方にネーミングしてもらったことを紹介した。

 国道4号の矢板拡幅は、矢板市片岡の東北道矢板ICから同市針生の矢板大田原バイパス南側まで、延長6.5kmの現道拡幅事業。19年度に都市計画決定され、道路の影響範囲が確定して用地買収に着手した。本年度は調査設計や片岡地区ほかの用地買収、前岡地区の改良工の進捗を図るとともに、中地区で用地買収に着手している。

 なお、中北歩道橋については宇都宮国道事務所から「R6国道4号矢板拡幅外道路詳細設計他業務」として、簡易公募型競争入札を公告している。国道4号矢板拡幅外の道路詳細設計と横断歩道橋詳細設計、既設歩道橋撤去設計などを行うもので、開札は4月3日を予定している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.