中心地区に拠点 当初予算 水田畑地化事業で1.1億円(笠間市)

[2025/3/20 茨城版]
 笠間市(山口伸樹市長)の25年度当初予算が決定した。一般会計の総額は352億8000万円で、前年度比3.6%増加。主な事業では、まちづくりプロジェクトに5650万円を確保し、中心地区のランドマーク拠点整備を計画するほか、安居工業地域整備推進事業に1億6663万円、「笠間の栗」水田畑地化モデル事業に1億1349万円などを計上した。

 一般会計に占める普通建設事業費は34億3850万円で前年度比1.2%のマイナス。一般会計に特別会計と企業会計を合わせた総額は602億5776万円となり、一般会計の増額などにより同1.5%の増となっている。

 中心地区まちづくりプロジェクトは、友部駅から市役所周辺に至る市の中心地区を対象に、ソフトとハードの両面から都市機能とエリア価値の向上策を展開するもの。新年度は、公共施設等総合管理計画の改定に880万円などを確保し、公共施設の適正配置を軸とした計画を定める。

 この地域には、市役所や友部公民館、友部図書館、保健センターなどが立地している。それぞれ施設の老朽化が進み、借地の施設もあるという。山口市長によると、これらを1カ所にまとめ、複合化した中心施設としてランドマーク拠点の創出を図る想定だ。事業の推進には、公民連携により一体的な計画づくりを進めるもよう。事業期間は29年度までの5年間とするが、ランドマーク拠点の整備はもう少し先になるとしている。

 安居工業地域整備推進事業では導水路整備などを進める。この地域では常磐自動車道岩間ICや既存の岩間工業団地に近接する利便性を生かし、市は今後の企業立地の受け皿として、幹線道路や区画道路、地区外道路の整備を進めている。道路や水路などの基盤整備は、25年度末までに完成させるほか、年度内には企業第1号誘致を目指して取り組むとしている。

 「笠間の栗」水田畑地化モデル事業は、水田を市の主要農産物である「栗」の栽培地に転換することで、生産拡大を推進するもの。新年度は、2.57haを対象に土の搬入や基盤造成工、暗渠排水工などのほか、延長480mの用排水路工事を行う。順調に進めば、26年3月にも一部貸付と植栽を開始する。

 ライフラインの整備では、水道の老朽管更新事業に3億3726万円を確保したほか、下水道事業ではウォーターPPP導入可能性調査に3500万円、公共下水道不明水解析に1125万円を計上した。水道の老朽管更新では、老朽化が原因とされる漏水を防止するため、人工知能(AI)を活用した管路劣化診断を行い、管路の耐震化を進めていく。下水道では、老朽化による不明水(雨水、地下水など)があり、処理費用がかかっているため、解明調査を行う。

 土木関係では、道路メンテナンス事業(橋梁)に2億8840万円、岩間地区の市道新設改良事業に1億2855万円、笠間スマートIC整備事業に6328万円、鯉淵南友部線線整備事業に1億8540万円、通学路交通安全他作整備事業に1億8121万円などを確保。このほか、筑波海軍航空隊記念館広場整備に2061万円、市民体育館の空調整備へ実施設計委託料など1155万円などを計上した。

 また、新たな施設整備を検討している市の環境センターについては、24年度に発注図書の作成などを行うアドバイザリー業務の発注を予定していたが、事業手法の再検討を行うこととした。検討を開始した5~6年前から比べて整備費用が高騰することが見込まれることによるもの。検討に当たっては、現行の計画を破棄せず、当初予定の無かった大規模改修などのコストのかからない手法も含めて検討していくとしている。

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