概算事業費は26億円 新防災教育施設 基本設計の概要を公表(県危機管理課)

[2025/3/14 栃木版]

 県危機管理課は13日、安藤設計(宇都宮市)で策定を進めてきた「新防災教育施設」の基本設計の概要を明らかにした。それによると、整備場所は県総合運動公園内第2陸場競技場前で、規模はRC造平屋、延床面積約1800平方m程度とし、概算事業費に約26億円を見込む。建物はZEB Readyを取得する予定で、2025年度に実施設計、26年度から28年度の3カ年で工事を実施し、28年度中の供用開始を目指す。

 県は23年1月に地域防災計画を改定し、県内外の大規模災害時の的確な被災地支援の機能と、地域住民が適切な避難行動等を行えるように平時からの防災にかかる学習・教育機能を兼ね備えた「総合防災拠点」について、必要な整備を図ることとした。この施設は広域災害対策活動拠点や広域物資拠点にも位置付けられ、各種防災機能を有する。

 建設予定地は、首都直下地震発生の可能性や気候変動による災害の頻発・激甚化を踏まえ、県内外の大規模災害時の被災地支援や平時からの防災学習・教育の機能を兼ね備える総合的な防災拠点として、利便性が高く県内全域をカバーできる県総合運動公園内を選定している。

 新たな施設は、基本理念に「防災教育を通じた『助け合う未来のとちぎ人づくり』のための拠点」を掲げ、その実現のため▽つどい機能▽まなび機能▽ひろがり機能-の3つの機能を付与する。

 「つどい機能」では気軽に立ち寄れる工夫(入ってすぐ触れて学べるとちぎ防災エントランス、多目的室・会議室、カフェの設置)を、「まなび機能」では全国初(防災館)の360度シアター、過去(未来)の地震を再現できる起震装置、VRゴーグル避難所体験など先進技術の活用を、「ひろがり機能」では多目的室・会議室、企画展示・企業展示スペースの設置、VR防災体験車の配置、配信機材の設置をそれぞれ取り入れる。

 展示計画は、「まずは自らの命を守り、そして助け合う未来のとちぎ人」が育つきっかけをつくる場とし、防災について自分事化し「自分で考え続ける」きっかけを獲得する。また、施設を中心とした防災人材の育成と地域防災活動の活性化の推進を図る。

 新防災教育施設の基本計画は、公募型プロポーザルで丹青社(東京都)に委託し24年3月22日までの期限で策定した。また新築基本・実施設計業務は、指名競争入札で安藤設計が落札し、24年度と25年度の2カ年(約19カ月)で策定している。

 なお宇都宮市中里町にある現在の防災館は、新防災教育施設の供用開始時に供用廃止する。

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