消防庁舎で造成 当初予算決まる 町有地崩壊対策に2.5億円(大洗町)
[2025/3/14 茨城版]
大洗町(國井豊町長)は、13日に開かれた定例町議会で、25年度当初予算案の議決を得た。一般会計は107億3500万円で、前年度比13.2%の伸びとなった。主なものでは、新消防庁舎建設事業で26年度の本体工事着手へ造成工事費2億9716万円を確保する。町有地崩壊防止対策事業には2カ年継続費に総額2億5533万円を設定し、町有地の法面対策を行う。このほか、防災集団移転促進事業に3億5910万円、公園施設長寿命化改修に9050万円などを予算化した。
一般会計に占める普通建設事業費は前年度比32.9%増の14億4544万円で、23年度比182%増となった前年度当初からさらに増加した。特別会計や企業会計と合わせた総額は166億6196万円で、一般会計や下水道事業会計の伸びなどにより同9.9%増となっている。
主な事業のうち、新消防庁舎建設事業では、移転先となる大貫台の敷地約1万平方mで造成工事に着手する。この事業は、現庁舎の狭あい化などを受け、現在地では建て替えや改修が困難なことから、新たな場所に移転して改築するもの。新庁舎には庁舎棟として消防本部と消防署、付帯施設として訓練塔などを整備。建設規模は庁舎棟がRC造2階建て延べ2070平方m、車庫棟はRC造平屋880平方m、訓練塔はRC造3階建て371平方mを想定する。設計は柴建築設計事務所(水戸市)が担当している。25年度は造成工事を行い、本体工事は26-27年度の2カ年で実施する予定だ。
新規事業となる町有地崩壊防止対策事業では、坊主山(ぼちやのやま)古墳東側で法面崩壊対策工事を実施する。土砂流出や降水時の地表水を起因とする円弧すべりや表層崩壊を防止するもの。工事では、鉄筋挿入工や法枠工などで対策を図る。
防災集団移転促進事業では、移転先地の測量・設計委託料や用地購入費、移転補償費などを予算化する。この事業では、昨年6月に涸沼川沿いの堀割・五反田周辺地区が防災集団移転促進事業計画の国交大臣同意を受け、24年度から移転契約を開始している。災害危険区域の対象は72戸で、移転先は五反田土地区画整理事業や一本松区画整理事業の保留地などを想定する。
成田町にある総合運動公園「トヨペットエンジョイパーク大洗」野球場では、新年度に外野ラバーフェンスの改修工事などを行う。22年度にまとめた公園施設長寿命化修繕計画に基づき進めているもので、本年度は田口工務店(大洗町)の施工でバックスクリーンの更新工事などを行っている。新年度は、金網仕様となっている外野フェンスのラバー化を図る。
このほか、町民会館吊物機構改修事業に1億1715万円を確保し、町民会館「トヨペットスマイルホール大洗」の改修工事を行う。町営住宅改修事業には2986万円を計上し、二葉住宅の照明改修や松ヶ丘住宅P棟の解体工事を実施する。大洗サンビーチでは、駐車場のアスファルト舗装などに3300万円を予算化。水道施設更新事業には1億3511万円を確保し、24年度の繰越分(13億3882万円)を含めて配水管布設替工事などを進める。