浸水備え防災公園 当初予算決まる 9期PFI住宅に3.5億円(境町)

[2025/3/12 茨城版]
 境町(橋本正裕町長)の25年度当初予算が決定した。一般会計には159億2600万円を計上し、前年度比7.7%の伸び率で過去最大の予算規模となった。主な事業では、防災公園整備事業に1億6200万円、第9期地域優良賃貸住宅整備事業に3億5000万円、児童クラブ整備事業に7654万円、冠水対策整備事業に5900万円などを計上した。

 予算編成では、ふるさと納税や各種補助金など新たな財源の確保に努めながら各施策に活用。子育て支援や移住・定住施策、企業誘致などを推進して、「選ばれるまち境町」の実現を目指すための予算とした。一般会計に占める投資的経費は10億8764万円で、前年度当初比94.9%の大幅増となっている。一般会計と特別会計、企業会計を加えた予算総額は235億4491万円で、前年度当初比は5.3%増となった。

 防災公園整備事業は、災害時の一次避難地となるさくらの丘防災公園を整備するもので、新年度は造成工事に着手する。町では、利根川・渡良瀬川が氾濫した場合に甚大な被害が予想されている。最大浸水想定では町の95%が浸水域にあるため、水害時の緊急避難場所を兼ね備えた防災拠点として、さくらの丘防災公園を高台化する。

 防災公園は、西泉田地内に位置し、計画面積は約4.2ha。予定地を約3.5m嵩上げして浸水に対応する。駐車場整備のほか、飲料水やかまどベンチ、災害用トイレなどの備蓄を行う予定で、25年度は盛土工などを実施する。設計は開発計画研究所(水戸市)で策定した。

 地域優良賃貸住宅整備事業は、PFIを活用して境地区へ定住促進住宅を建設するもの。子育て世帯の優良な居住環境を確保して、町外からの移住・定住の促進を図る。これまでに7期173戸の住宅が完成し、町外からの移住者で満室となっているため、25年度予算には第9期の事業費を計上した。

 児童クラブ整備事業は、利用希望者の増加に対応するもので、境小学校のにこにこ児童クラブ(3月補正で計上)と長田小学校児童クラブの2カ所で施設を整備する。長田小学校児童クラブでは、建物を増設して待機児童の解消に努める。事業費には3972万円を見込む。境小学校では既存施設脇へ新たに建物を建設する。

 冠水対策整備事業は、冠水被害の減少に向け、都市再生整備事業交付金を活用して市街地を流れる染谷川の改修工事を実施している。新年度は26年度から行う改修工事に向けて、事前の工損調査を行うとともに、用地取得と補償調査などを実施する。また、26年度からの工事の際に支障となる上下水道管の切り回し工事を行う。

 この事業の全体計画延長は約2970mで、染谷川の下流から上流に向かって整備を進めている。このうち約400mが残工事となっており、26年度から残りの部分の工事を進めていく見通し。24年度にはLP(水戸市)で設計を策定した。

 このほか、境町地域活性化宿泊施設(仮称)整備支援事業に3億1360万円を計上。スーパーホテルが町内に整備を予定している宿泊施設に対して建設費の一部を補助する。施設は長井戸地内へ建設する予定で、25-26年度の2カ年で工事を行う予定だ。

 染谷川改修事業には6250万円を確保し、県が施工する国道354号道路整備工事と関連する染谷川の橋梁および河川改修工事に対して、事業費の一部を負担する。

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