給食センター移転候補地選定 藤ケ谷地区の官舎跡地(柏市)
[2025/3/11 千葉版]
柏市は、学校給食センターの建て替え候補地として、藤ケ谷(ふじがや)地区の自衛隊官舎跡地(国有地)7648平方mを検討している。築46年が経過するなど老朽化が著しく、施設の建て替えが急務となっていることから、用地取得に向けた協議と予算化に努める方針だ。2025年度予算案には、候補地の測量業務など委託料として600万円を計上している。
大島田地区の学校給食センターは、児童数の増加に伴い、献立や調理方法を制限せざるを得ない状況にあり、学校給食衛生管理基準への適応など多くの課題を抱えている。
そこで、現在よりも広い土地に新築することを計画。21年度には、基本計画(PFI等導入可能性調査)策定業務を日建設計総合研究所に委託するなど、建て替えに向けた検討を進めている。
移転先については、原則的に市街化区域の工業系用途地域への建設となること、電気・ガスなどインフラの整備が容易であること、自校式給食室の改修や更新時にも給食が提供できるよう、旧沼南町地域の中でも柏市の中央寄りであることなどの条件を満たす必要から、用地選定に時間を要していた。
このようななか、柏第七小学校がピーク時に1300食を超える給食が必要になることが見込まれる一方で、現在の給食室は900食が限界であることが判明した。
その解決策として、高田小学校の校舎長寿命化にあわせ、同校の給食室に他校への給食提供機能を整備し、柏第七小学校に配送することを計画。柏第七小学校の児童数のピークアウト後は、北部地域の自校式給食室の改修時に、その余剰能力を活用できる見通しとなった。
これにより、旧沼南地域に配送する学校給食センターの候補地は、旧沼南町地域のほぼ全域から選定することが可能となり、財務省関東財務局が所有する国有地を選定した。
所在地は、柏市藤ケ谷字上人塚1641‐9ほか15筆。海上自衛隊下総基地の東門前に位置し、4階建ての官舎2棟が残っている。
大島田地区の学校給食センターは、1978年に竣工した。2階建て延べ1082平方m、敷地面積は5115平方m。想定調理能力食数は1日当たり約5000食(2回転調理)で、提供校数は11校。調理方式はウェット施設・ドライ運用を採用している。
高田小学校の長寿命化設計は、3月までの工期で、阿波設計事務所が担当している。高田小学校の給食室は、校舎長寿命化とあわせて改修する予定だ。