複合庁舎で設計 当初予算 子育て支援住宅に3.9億円(五霞町)

[2025/3/8 茨城版]
 五霞町(知久清志町長)は、25年度当初予算案を発表した。主な事業では、子育て支援住宅整備事業に3億8700万円を確保し、建設工事に着手する。空調設備設置工事費では五霞中学校の体育館に1億2326万円、B&G海洋センターに6093万円を計上。複合庁舎整備事業では2カ年で2億9000万円を予算化し、基本・実施設計をまとめる。町有財産有効活用検討業務委託料では500万円を確保し、公共施設の有効活用へPFI手法などを探る。

 子育て支援住宅整備事業は、町初のPFI事業として本年度からキラリごかタウンで事業着手した。25年度は本体工事に入る予定で、26年2月の完成を目指している。この事業は移住・定住対策として町有地に地域優良賃貸住宅を建設し、子育て世帯の転入促進を図るもの。原宿台地区に24戸、川妻地区に6戸の集合住宅を建設。原宿台地区にはコミュニティセンター(S造2階建て、延べ面積274平方m)を整備する。住宅は駐車場付きで、3LDK(専用面積約70平方m)とする。

 複合庁舎整備事業は、役場庁舎と中央公民館を複合化するもの。これにより防災拠点、行政拠点、地域コミュニティ拠点を集約し、賑わいの創出を図る。当初予算には基本・実施設計委託料の債務負担行為を設定し、基本設計の策定に着手するほか、建築地の測量や地盤調査、アスベスト調査を行う予定だ。

 建設地は小福田の中央公民館敷地内で、建設規模は2階建て、延べ面積は約3700平方m(庁舎約2500平方m、公民館約1200平方m)を想定する。25-26年度で基本・実施設計を策定し、27-28年度に建設工事を行う。総事業費には約45億円(うち本体工事は25億2000万円)を投じる。中央公民館周辺には商業施設の誘致も考えており、将来的に町民の新たな居場所の創出を図る。

 五霞中学校空調施設整備事業では、体育館と武道場に空調設備を設置して生徒の熱中症対策を行うとともに、災害時の避難所としての環境整備を図る。工事では、体育館に14台、武道場に8台の空調機を設置する。設計は長塚建築設計事務所(古河市)でまとめた。

 B&G海洋センター空調設備設置事業は、災害時の指定避難所の安全性・機能性を確保し、避難所での生活を快適にするもの。アリーナなどへ空調設備を22台導入するほか、地盤沈下の影響によりトイレの配管がずれているため併せてトイレの改修工事を実施する。本年度は三橋設計(東京都千代田区)で設計を策定した。

 町有財産有効活用事業は、PPP・PFI手法を活用して町有財産の有効活用を図るために、民間資金を導入して公共施設等の統合・再整備の可能性を探る。新年度には東小学校跡地とごかみずべ公園で事業者の公募・選定を行うほか、情報・防災ステーション地区隣接地と第2期地域優良賃貸住宅整備候補地の洗い出しなどを行う。

 一般会計は前年度当初比25.6%増の62億6000万円で、過去最大の予算規模となった。一般会計に占める普通建設事業費は2億9686万円で、前年度当初から475.4%の高い伸び率となっている。一般会計に特別会計と企業会計を加えた総額は100億1277万円で、前年度当初を13.2%上回っている。

 予算編成にあたっては、子育て支援に重点を置いて予算を配分した。知久町長は2月の記者会見で、町の人口減少が著しい状況に言及。子ども・子育て支援に重点を置いた経緯を説明し、「今動かなければという思いで、切れ目のない支援を行うために積極的予算編成を行った」とコメントしている。

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