チバニアン・ガイダンス施設に着工 25年度予算で継続費15億円(千葉県市原市)
[2025/3/5 千葉版]
千葉県市原市は、チバニアンガイダンス施設の建設工事に着手する。延べ1000平方m規模の施設を新築する計画で、2025年度第1四半期にも入札公告する方向で検討している。25年度予算案では工事費や工事監理費について、2カ年で総額14億9479万円の継続費を設定。基本・実施設計は隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)が担当している。
20年1月に養老川流域田淵地区の地磁気逆転地層が国内初の国際境界模式地(GSSP)として認定され、地質年代「チバニアン」が誕生した。同市では、チバニアンの保存活用に向け、園路や露頭周辺、ガイダンス施設などの整備を進めている。
ガイダンス施設は、国指定天然記念物である地磁気逆転地層の本質的価値を伝えることを目的に整備するもの。県道市原天津小湊線に近い位置に配置し、構造・規模はRC造一部S造2階建て延べ1000平方m規模を想定している。
施設には展示室や多目的室、事務室、倉庫・備品室、トイレ、情報発信スペース、機械室などを配置するほか、バリアフリー対応のエレベーターを1基設置する。
木材を中心とした温かみを感じられる内部仕上げを想定。南側には野外実習やイベントなど多目的に利用できる広場(ジオ広場)を配置し、スロープ屋根「ジオルーフ」が施設の外観を構成する。
工期は15カ月程度を見込む。当初予算が承認されれば、第1四半期にも入札公告する方針。工事は分離発注する方向で検討している。
25年度予算案では地磁気逆転地層整備事業に7億9966万円を計上。露頭見学施設の整備工事には2カ年で総額9295万円の継続費を設定している。整備基本計画に基づき、新たなガイダンス施設の建築工事のほか、橋梁や見学施設など土木工事、展示の実施設計や制作などを進めていく。27年度の供用開始を目指す。