保健医療大を機能強化へ キャンパス立地6案の工事費概算(千葉県)
[2025/3/6 千葉版]
保健医療大学の機能強化に向けた調査検討会議(座長・中村丁次神奈川県立保健福祉大学名誉学長)の最終会合が4日夜に開かれ、キャンパスの立地や施設・設備などについて協議した。千葉県は、立地を検討している6案について、建設工事費を概算した結果、最大で250億円を超えることを報告した。調査検討業務は日本開発構想研究所(東京都港区)が担当している。
保健医療大学は、県内唯一の県立大学として、県立衛生短期大学と県医療技術大学校を統合し、2009年4月に開学。幕張(千葉市美浜区)と仁戸名(千葉市中央区)にそれぞれキャンパスが立地しているが、両施設とも老朽化が進んでいるため、再整備を進めていく。
キャンパスの立地については、幕張、仁戸名の両キャンパスを対象とし、▽幕張キャンパスに統合・建て替え▽同・大規模改修▽仁戸名にキャンパス統合▽2キャンパス現状維持▽2キャンパス再編・建て替え▽同・大規模改修──の6案を検討している。
施設整備の規模をみると、幕張キャンパス統合の場合は約2万2300平方m、仁戸名キャンパス統合の場合は図書館700平方mも含めた約2万3000平方mを想定している。
キャンパス立地案ごとに直近2カ年の工事単価上昇率(年11%)を踏まえた建設工事費を概算。最も費用が高かったのは「仁戸名にキャンパス統合」の264億1800万円、最も低かったのは「幕張キャンパスに統合・大規模改修」の160億8500万円となっている。
キャンパスの立地については、調査検討会議で「幕張キャンパスへ統合」を求める意見が多数を占めた。在校生・卒業生アンケートでも「幕張への統合」が最も多くなっている。また、委員からは建築費が下がる見込みがないため、事業を早急に進めるよう求める意見が出されている。
調査検討会議の議論を踏まえ、学部の構成や定員、立地、運営主体などを盛り込んだ調査検討事業報告書を4月までにとりまとめる。報告書をもとに基本的な事項を決定し、26年度から基本計画、27年度から基本設計、28年度から実施設計をそれぞれ進め、29年度の着工を目指す。
幕張キャンパスの敷地面積は約4万3300平方m。施設は校舎棟や事務棟、図書館棟、学生ホール棟、講堂、体育館など延べ約1万5700平方m。1980年に完成し、築43年が経過している。
仁戸名キャンパスの敷地面積は約1万5000平方m。施設は東校舎棟、講堂・図書館棟、研究棟、体育館など延べ5500平方m。東校舎棟は90年に竣工し、建築から30年が経っている。