豪雨対策に37億円 当初予算 旧平磯小で解体とコミセン整備(ひたちなか市)

 ひたちなか市(大谷明市長)は、25年度の当初予算案を発表した。一般会計は628億4900万円で、前年度当初比3.5%の増額となった。主なものでは、旧学校施設解体工事費に3億1255万円を予算化し、旧平磯小学校で体育館などを解体するほか、敷地内に残る校舎を活用してコミュニティセンターを整備するため、工事費8003万円を確保する。このほか、集中豪雨対策事業に37億1572万円、配水幹線更新事業に4億8822万円などを計上。継続事業では、26年度の債務負担行為分を含め、総合体育館改修事業に総額5億2437万円、市毛小学校の給食室増築事業に総額5億7123万円をそれぞれ確保する。

 一般会計に占める普通建設事業費は37億4241万円で、橋梁補修や大川改修などの工事費が減額されたことにより、前年度比2.2%の減となった。特別会計と企業会計を合わせた総額は1123億5275万円で、一般会計や水道事業などの伸びにより、前年度比3.3%の増額となっている。

 主な事業のうち、本年度に屋外プールを解体した旧平磯小学校では、震災前に建てられた施設を全て解体する。対象は体育館(1971年完成、RC造平屋664平方m)と校舎棟(RC造2階建て延べ1673平方m)となる。解体設計は三上建築事務所(水戸市)がまとめた。

 震災後に建てられたプレハブ校舎(2階建て延べ1101平方m)については、平磯コミュニティセンターの移転に向けて内部の改修工事を行う。内部には会議室や調理室などを整備するほか、校庭部分を使用してアスファルト舗装の駐車場も確保する。設計はエイプラス・デザイン(水戸市)が担当している。

 集中豪雨対策事業では、中丸川流域における浸水被害軽減プラン(100ミリ安心プラン)に基づき、高場流域や大島流域の浸水被害解消に向けた雨水幹線整備などを進める。工事費では、一般会計の大川改修工事費として9000万円、下水道事業会計の雨水管きょ布設工事費として、国補分で31億5060万円、単独分で3億2312万円を計上した。

 市毛小学校では、2カ年で給食室の増築工事を進める。ドライシステムの採用に合わせて、既存施設を拡大するもの。工事は秋ごろまでに着工するもようだ。小中学校の給食室改修事業では、3月補正でも田彦中学校に工事費3億8722万円と監理委託料962万円を前倒し、25年度に工事を行う予定だ。設計は、いずれも第一設計(ひたちなか市)がまとめた。

 総合体育館では、2カ年で外壁の改修工事を行う。この施設は1997年の完成で延べ1万7067平方m。設計はかりべ建築設計事務所(ひたちなか市)がまとめた。

 勝田駅東西自由通路修繕工事委託事業には、26年度の債務負担行為分を含め2カ年で総額1億9442万円を確保。防水塗装や内外装の改修工事を行う。中心市街地まちづくり計画策定事業に1000万円を確保し、勝田駅から約2km四方の中心市街地の魅力創出を図る。再生可能エネルギー導入促進事業では802万円を投じ、ヘルス・ケア・センターのZEB化可能性調査などを行う。

 水道事業では、災害時重要給水施設配水管更新事業に4億1447万円を確保し、指定避難所となる行政施設に給水する配水管の強靱化を図る。配水幹線更新事業で4億8822万円を投じ、老朽化した700mmの配水幹線を耐震化する。

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