海老川水門を改良へ 25年度下期に工事発注(国交省千葉港湾)

新たな海老川水門のイメージ

新たな海老川水門のイメージ

[2025/3/4 千葉版]
 国土交通省千葉港湾事務所は、海老川水門(千葉県船橋市)の改良工事に着手する。千葉港海岸直轄海岸保全施設整備事業の一環として実施するもので、仮設桟橋を整備し、仮締切した後、新たな水門を設置する計画。工事規模は30億円以上50億円未満を想定しており、政府調達協定(WTO)対象となる見込みだ。2025年度下半期に工事を発注する方向で検討しており、29年度の完了を目指す。  

 船橋市の海老川河口に位置する海老川水門は、建設から50年以上が経過し、老朽化が進むほか、耐震性が確保されていない。老朽化対策や地震対策、高潮など大規模地震への対応として、新たな水門を整備していく。

 海老川第一水門と第二水門を運用しながら、その間に新たな水門を設置する計画。整備完了後に旧水門を撤去し、取付護岸を整備する方針だ。

 水門の形式は二段式プレートガーダ構造のローラーゲートとし、幅12.5mのものを2門整備する。ゲートの材質はステンレス鋼材を採用する。

 工事の進め方をみると、仮設桟橋を施工し、水門を新設するエリアを仮締切する。水門の設置工事を進め、第二水門を撤去し、取付護岸を整備する。仮設桟橋の一部を撤去し、水門の供用を開始する運びを想定している。工期は4カ年にわたる見通しだ。

 これ以降に計画している第一水門の撤去や取付護岸の整備などの工事は、新たな排水機場の設置に併せて進めていく。

 工事発注に向けた細部設計業務はエコー・日本港湾コンサルタント設計共同体が担当している。 

 千葉港海岸直轄海岸保全施設整備事業は22年度に事業化。船橋地区で高潮・波浪や発生頻度の高い津波による浸水域ゼロを目指し、海岸保全施設のかさ上げや耐震対策に取り組んでいる。

 護岸(915m)や胸壁(1255m)、陸閘(7基)の改良のほか、船橋排水機場や海老川水門の整備を進めている。事業期間は33年度までとし、総事業費は300億円を見込む。

 工事の進ちょく状況をみると、日の出胸壁と日の出護岸で改良工事が本格化している。千葉港湾事務所によると、28年度から湊護岸、29年度から湊町胸壁の工事をそれぞれ進めていく方針。陸閘については、28年度から31年度にかけて整備する予定だという。

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