治水対策に4.5億円 当初予算 常陸多賀駅周辺は実施設計(日立市)
[2025/2/27 茨城版]
日立市(小川春樹市長)は26日、25年度の当初予算案を発表した。一般会計の総額は761億300万円で、前年度当初比1.8%の伸びとなった。主な事業では、治水対策事業に2カ年で5億5200万円、エスカルロード臨時改札口改良事業に3カ年で2億8300万円の継続費を設定。常陸多賀駅周辺地区整備事業には7億0634万円を予算化し、自由通路や駅舎の実施設計に着手する。
一般会計に占める投資的経費は84億8202万円。普通建設事業費が5%の減額となる一方、前年度比334.9%の増となった災害復旧事業費の伸びにより、全体的には前年度比0.6%の増となった。特別会計と企業会計を含めた総額は1268億2734万円で、一般会計や下水道事業会計の伸びなどで、前年度当初比1%の増加となっている。
主な事業のうち、治水対策事業では4億5123万円を確保し、流域治水計画に基づき基本設計や、数沢川と北川の改修工事に着手する。市役所敷地内で行う数沢川の改修工事費には、2カ年で5億5200万円を確保。数沢川と平沢川の合流部から越水したことが庁舎の浸水被害の要因となったため、合流部の形状をT字形からY字形に改修する。これにより、水流の衝突による水位の上昇を抑え、河床を掘り下げて川の水を円滑に流す計画だ。このほか、田尻川や舟入川、池の川、大川の基本設計を策定。消防拠点施設南側の数沢川改修工事、かみあい団地南側の北側改修工事などを実施する。
常陸多賀駅周辺地区整備事業費では、JRとの基本協定に基づき、自由通路や駅舎改築に向けた実施設計を行うほか、東口広場の整備に向けて用地取得などにも着手する。事業進捗に当たっては昨年、駅周辺の都市景観形成やにぎわい空間創出のためのグラウンドデザインを策定。一体的で魅力的なデザインや空間形成を目指している。
日立駅では、構内にある既存こ線橋の撤去に伴い、エスカルロードに接続する臨時改札口の改修工事を行う。工事はJR東日本に委託する。
市道整備では、金沢町地内道路(市道6750号線)整備事業に6億1349万円を確保し、金沢町で延長324mの改良工事などを行う。橋梁長寿命化事業には1億4410万円を計上し、75橋の点検や長寿命化修繕計画などを策定。幹線道路の検討では2065万円を計上し、真弓トンネル整備負担や、十王伊師地内の新設道路で概略設計の策定などに充てる。