LRTで測量や設計  新年度予算案 普通建設費は288億円(宇都宮市)

[2025/2/17 栃木版]

 宇都宮市(佐藤栄一市長)は14日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比4.9%増の2406億3000万円で、このうち投資的経費は10.4%増の289億2822万円(うち普通建設事業費が10.5%増の288億8308万円)となっている。建設関連の主な事業は、小中学校施設の長寿命化等の整備、冒険活動センターの大規模改修、屋内プール整備の基本設計、南消防署の移転改築に向けた実施設計等、公共施設等の照明LED化、市役所本庁舎の改修手法等の基礎調査などを進める。LRT事業は、JR宇都宮駅西側の事業化に向けて、測量業務や軌道等の詳細設計に着手する。 =2面に主要建設関連事業と予算額

屋内プールは基本設計に

 25年度当初予算案では、「スーパースマートシティ」の具現化・深化へ、ひとづくりの推進、魅力ある都市空間の形成と公共交通ネットワークのフル活用、地域共生社会・地域経済循環社会・脱炭素社会の3つの社会の創出、安全・安心なまちづくり、デジタル技術利活用の推進などに取り組む。

 特別会計は、競輪事業が前年度当初比13.5%増の318億0757万円、鶴田第2土地区画整理事業が同じく1.3%増の6億7709万円、宇大第2土地区画整理事業が1.9%増の12億6920万円、岡本駅西土地区画整理事業が4.4%減の5億8000万円-などとなり、宇大第1土地区画整理事業は24年度に完了したため廃止している。

 企業会計は、水道事業の資本的支出に18.5%増の123億0589万円、下水道事業の資本的支出に8%増の145億8117万円、中央卸売市場事業の資本的支出に66.8%増の2億7122万円を計上した。

 主要事業をみると、全天候型子どもの活動の場の拡充に向けた検討には500万円を配分した。児童虐待防止対策では9945万円を計上し、児童相談所設置基本計画の策定などに取り組む。

 小中学校整備には、51億2253万円を計上した。校舎の長寿命化対策では横川西小学校と石井小学校で実施設計、西原小学校などで工事を実施し、体育館は雀宮南小学校で改修の実施設計、今泉小学校などで改築工事を行う。冒険活動センターは、ワーク棟や管理棟の空調改修、体育館棟への空調導入の設計などで1億8717万円を計上する。

 スポーツ施設の整備には、23億8830万円を計上した。業者と契約した北西部地域体育施設整備事業をはじめ、市東部地域の屋内プール整備に向けた検討を進め、検討がまとまり次第、基本設計に着手する。

 消防施設は、消防団詰所8カ所の改築に3億8606万円を計上したほか、南消防署の移転改築に向けた実施設計や用地取得に2億2779万円を予算化した。農業施設の治水・雨水対策では、農業用ため池3カ所の工事と5カ所の実施計画策定などで、2億4139万円を計上。陽光地域コミュニティセンターは、長寿命化の設計に954万円を計上している。

 道の駅「ろまんちっく村」では、再整備基本計画策定委託料として1500万円を盛り込んだ。大谷の文化的景観整備活用計画の策定の委託料には366万円、根古谷大遺跡保存活用計画の策定の委託料には388万円を配分している。

 河川整備は、都市基盤河川で奈坪川、準用河川で越戸川・大久保谷地川・鎧川・新川・山下川・西川田川、普通河川で新川・給分川を整備するため、17億5983万円を計上している。

 脱炭素化に向けては、行政の取り組みに8億9960万円を計上し、脱炭素先行地域以外の公共施設60施設で再エネ設備導入の検討、ESCO事業による道路照明や公園外灯のLED化、公共施設31施設の照明LED化などを進める。

 都心部のまちづくりには3億1645万円を計上し、民間による施設整備を促進するほか、ゼビオホールディングス(福島県郡山市)が取得したパルコビル跡地について、まちの賑わい創出に係る調査に着手する。JR宇都宮駅西口地区整備の推進には10億3200万円を計上し、市街地再開発事業を支援するほか、西口駅前広場整備に向けた検討を進める。

 都市計画道路は宇都宮日光線(一条)、産業通り(陽東I・II)、鶴田宝木線、塙田平出線、産業通り(大和)、桜通り平出線(競輪場通り)の整備に14億0340万円、道路新設改良は市道356号線や市道647号線など21路線の整備や大谷スマートインターチェンジの整備に9億9378万円を配分した。

 LRT整備には2億1350万円を計上し、JR宇都宮駅西側の事業化に向けて測量や軌道等の詳細設計に着手する。

 公共施設の長寿命化には22億8195万円を計上し、劣化状況に応じた保全対策工事を進めるほか、市役所本庁舎は改修手法等の基礎調査を実施する。

 上下水道事業は、松田新田浄水場監視制御設備等更新工事、高間木取水場カビ臭原因物質連続測定装置設置工事、今市浄水場機械設備等更新工事、漏水多発給水管の布設替工事、老朽配水管更新2万0395mに加え、下河原水再生センター再構築工事、川田水再生センター水処理設備等改築更新工事、老朽下水道管1651mの整備等として124億3439万円を計上した。下水道汚水管渠4813mの整備や清原水再生センター等の汚水ポンプ増設には、15億4267万円を計上している。

 災害に強い上下水道の確立には、27億9802万円を計上した。白沢浄水場導水管耐震化工事、水再生センターの耐震化工事、下水道汚水管渠の耐震化工事、奈坪川1号幹線等の下水道雨水幹線の整備、河内水再生センターの耐水化など実施していく。

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