今市で都市再生計画 新年度予算案 新産業団地造成へ調査(日光市)

[2025/2/11 栃木版]

 日光市(粉川昭一市長)は、2025年度当初予算案を明らかにした。一般会計は前年度当初から3%増の470億7000万円で、過去最大規模を計上した。このうち普通建設事業費は、5.1%減の41億3839万円となっている。主な建設関連の事業は、新たにクリーンセンターの長寿命化工事に着手するほか、新産業団地の造成に向けた調査や今市中心市街地の都市再生整備計画の策定、鬼怒川温泉駅前の再整備基本計画の策定などに取り組む。また特別会計では、銅山観光事業で施設の再整備を進め、診療所事業は足尾双愛病院の閉院に伴う足尾地区の新診療所開設のための設計を委託する。 =2面に主要建設関連事業と予算額

 新年度の主な事業をみると、総務費では公共施設マネジメント推進費の新規事業として、市有76施設の照明6615基をLED化するほか、旧小百小学校で幹線工事などを行うため1億5125万円を計上した。

 民生費では、足尾地域の医療・介護施設の廃止に伴い、(仮称)足尾デイサービスセンターの改修工事設計業務に600万円を計上した。保育園運営費では、所野保育園の空調設備を25年度に改修する。

 衛生費は、今市保健福祉センターの長寿命化工事で外壁補修を行い、EV充電設備の設置工事なども実施する。公害対策推進事業費では、灌漑用水や地下水などの水質調査に、PFOSおよびPFOAの項目を追加した。

 また、クリーンセンターは新年度から長寿命化に継続費を設定して工事に着手し、25年度は1億8000万円を計上する。最終処分場維持管理費は、修繕や点検業務委託、閉鎖工事などに1億3813万円を予算化。環境センター維持管理費では、し尿処理施設整備基本構想を策定する。

 農林水産業費は、林道奥鬼怒線女夫渕橋補修工事に継続費を設定し、25年度は4000万円を計上する。

 商工費は、25年度に新たな産業団地を計画するため、新産業団地造成可能性調査業務の委託料を計上する。また、検討を重ねてきた鬼怒川温泉駅前も、再整備基本計画策定業務委託などに1027万円を計上した。東照宮の西参道第2駐車場では、多目的トイレの設置工事などを行う。

 土木費のうち、道路関係は公共施設等適正管理推進事業として、長寿命化計画に基づく舗装補修工事11路線と側溝補修工事8路線に1億7750万円を計上する。社会資本整備総合交付金の道路整備事業には3億6700万円を計上して、市道大沢~大渡線や市道森友~芹沼線の用地取得などを行う。橋梁の維持補修費には3億3600万円を計上し、設計積算4橋、補修工事8橋を予定する。

 街なみ環境整備事業には5293万円を計上して、東町地区と西町地区を整備する。立地適正化計画推進事業は、今市中心市街地活性化に向けた事業の具現化に向けて、基本構想や都市再生整備計画の策定に着手するほか道の駅日光の駐車場設計業務などを進める。

 市営住宅維持管理費は、長寿命化のための改修や老朽化による解体、エレベーターの安全装置設置などに1億5699万円を計上する。

 消防費の新規事業は、補正予算で設計を行った今市消防署の女性職員専用の仮眠室の改修工事や、今市および日光、藤原消防署管内の消防団詰所のLED化改修工事などに1億0649万円を充当する。また、足尾地域の勝雲山にデジタル無線中継装置を設置するなど5474万円を計上。消防指令システム設備は、27年度の更新に向けて、実施設計委託料836万円を計上した。

 教育費は、小中学校の特別教室のエアコン設置で設計や工事を行い、体育館はスポットクーラー設置の検証事業などを実施する。中央公民館移転事業は改修工事のほか、イオンが実施する改修工事に係る負担金として2億7000万円を計上した。解体の決まった藤原図書館と藤原総合文化会館は解体工事設計委託料として658万円を予算化した。

 また、小来川公民館整備事業では旧公民館の解体に1517万円、新たな小来川公民館の整備に継続費として9600万円を計上した。文化財保護対策費では、国重要文化財の古河橋の橋梁点検を実施する。社会体育施設運営費は、丸山公園のトイレの洋式化改修設計と改修工事、およびプールの休憩室にエアコンを設置し、落合運動公園ではトイレの洋式化の改修工事に着手する。

 特別会計は、診療所事業が13.2%増の1億8774万円、温泉事業が2.7%増の9090万円、銅山観光事業が66.9%増の2億4771万円となり、企業会計では水道事業が5.3%減の34億2122万円、下水道事業1.7%増の44億5211万円となった。

 診療所事業は、26年度末で足尾双愛病院が閉院するのに伴い、足尾地区に新たな診療所を開設するため、設計委託として800万円を計上した。また、小来川診療所の長寿命化の工事などに2253万円を予算化する。

 銅山観光事業は、銅山観光施設再整備事業に9584万円を計上し、昇降機設備設置工事実施設計や観光サイン工事実施設計、テナント施設スロープ新設工事、銅ふれあい館改修工事、駐車場歩行者通路改修工事、レストハウス解体工事などを予定する。また、継続分として、テナント施設新設工事監理業務委託および工事費に7020万円を設定した。

 水道事業は、浄水場施設整備事業に4380万円、老朽管更新事業に4億9850万円、配水管布設事業に8750万円を計上する。下水道事業は管渠建設改良費に3億0814万円を計上し、今市処理区の管渠新設工事やマンホールポンプ場ポンプ更新工事、中宮祠処理区の管路改築工事などを行う。このほか、ポンプ場建設改良費に5700万円を計上し、中継ポンプ場ポンプ更新工事などを予定。流域下水道建設費負担金には1億2861万円を計上し、鬼怒川上流流域下水道の建設費を負担する。

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