インフラDXを加速へ 25年度予算で事業費25%増(千葉県)

[2025/2/8 千葉版]
 県は、インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速する。2025年度当初予算案に関連事業費として前年度比25%増の4億1681万円を計上している。道路や河川など施設台帳の電子化に乗り出すほか、設計段階から3次元モデルを導入するBIM/CIMを拡大する方針だ。

 県は、建設業における将来の担い手不足などの課題に対し、デジタル技術を導入することにより、建設工事の生産性向上を目指す「ICT活用工事」を推進。デジタル技術を活用した効率的なインフラ管理のほか、センサーなどを活用した遠隔監視や異常検知などに取り組んでいく。

 新規事業では施設台帳の電子化で1837万円を予算化。道路・河川などの土木施設の適切な維持管理や利便性の向上を図るため、施設台帳を一元的に管理するシステムの構築を見据え、台帳の電子化に乗り出す。

 BIM/CIMの導入に1億3777万円を計上。設計段階から3次元モデルを導入し、施工・維持管理までの事業全体で活用する。銚子連絡道路や国道356号香取小見川バイパスのほか、長生グリーンラインや押切・湊橋(仮称)などにも導入する方針だ。

 3次元データ測量に5728万円を配分。海底などを面的に測量し、高精度な地形データを取得する3次元測量について、港湾施設や海岸侵食対策で進めていく。

 交通量調査のカメラ画像AI解析の試行に1500万円を充てる。交通量調査の効率化を図るため、カメラ画像をAI解析する調査について、銚子連絡道路と越谷流山線で実施する。

 ドローンを活用したインフラ管理に3936万円を計上している。現場確認業務を迅速・効率的に実施するため、土木事務所のドローン配備を強化するほか、河川管理でも目視点検が難しい護岸などの点検を重点的に取り組んでいく。

 道路維持管理業務の効率化に4000万円を配分。ドライブレコーダーなどで路面を撮影し、走行時の振動を検知して、路面の劣化状況を診断する。3次元測量による道路への樹木のせり出しの調査なども実施する。

 危機管理型水位計や河川監視カメラの増設に3400万円を充てる。激甚化・頻発化する豪雨災害に対応するため、河川の状況をよりきめ細かく監視し、増水の切迫性を適切に伝えられるよう、浸水想定区域内に河川監視カメラや危機管理型水位計を増設する。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.