し尿処理施設を建替え 26年度に配置計画(浦安市)
[2025/1/31 千葉版]
浦安市は、クリーンセンター敷地内にあるし尿処理施設の今後のあり方を調査検討し、報告書としてとりまとめた。プランごとのライフサイクルコストなどを検討した結果、規模を縮小し、敷地内の余剰地に建て替える案が優位と結論づけている。2026年度に次期クリーンセンターを含む全体の配置計画を作成し、28年度に再資源化施設(リサイクルプラザ)とあわせ整備基本構想を、29年度に整備基本計画をまとめることにしている。
市は、現クリーンセンターについて、竣工後50年間となる44年度ごろまでの稼働を見込んでいる。
次期クリーンセンターについては、敷地内に十分な空きスペースがないことから、クリーンセンター長期包括責任委託業務の終了する35年3月に、し尿処理施設と再資源化施設の利用を停止し、両施設を解体した跡地や空きスペースに建て替えることを想定している。
そこで、クリーンセンターの再整備を念頭に、既存施設停止後の、し尿処理のあり方を検討することにした。
あり方の検討にあたって、1日当たりの処理能力8キロリットルに縮小しての建替3案と、外部委託1案の計4案について、35年から20年間のライフサイクルコストを比較した。
処理方式ごとの事業費(税込み)は、前処理・希釈方式41億2600万円、前処理・前脱水・希釈方式35億5400万円、前処理・前脱水・生物処理方式42億1600万円、中間処理・外部委託33億7800万円で、建て替えと外部委託のコストには、大きな差が生じないことがわかった。
ライフサイクルコスト評価のほか、報告書では、災害時の対応など、今後のし尿処理施設のあり方をさまざまな角度から検討し、建替案を採用する方向性を提示している。
し尿処理施設は1997年4月に稼働。1日当たりの処理能力は35キロリットル。搬入量の減少が続き、オーバースペックとなっている。処理方式は高負荷脱窒素処理方式(下水道放流)。設計・施工は栗田工業が担当した。
し尿処理施設のあり方に関する検討調査業務は、復建調査設計(広島市東区)が担当した。
敷地内余剰地での建て替えを想定している再資源化施設(リサイクルプラザ)は、1999年3月の竣工。地下1階・地上4階建て延べ6359平方m。5時間当たりの処理量は42・5t。
クリーンセンターの廃棄物処理施設基幹的設備改良工事と長期包括責任委託事業は、荏原環境プラントを代表とするグループが担当している。