建設地は大堤地区 新公会堂 夏までに基本構想を答申(古河市)
[2025/1/31 茨城版]
古河市は21日、第10回「(仮称)新公会堂基本構想・基本計画市民委員会(委員長・小林真理東京大学院教授)」を市役所総和庁舎で開催。会合では、建設候補地を未来産業用地開発事業対象エリアの大堤地区に絞り込んだ。建設候補地案は、3月末をめどにまとめる中間報告に盛り込む予定。基本構想などは夏ごろまでに策定し、市長へ答申する見通しだ。
市民委員会ではこれまで、旭町2丁目の旧古河体育館跡地(約1ha)と大堤地区の2カ所を候補地として検討してきた。協議の結果を踏まえ、今回の会合では意見の多かった大堤地区を選定した。
市直営で実施した場合の事業費は約167億円を試算する。内訳は建物整備(杭工事を含む)に約143億円、外構整備(駐車場676台)に約8億円、造成(地盤改良・用地取得を含む)に約12億円、調整池整備に約4億円を見込む。
大堤地区は、地域未来投資促進法に基づく未来産業用地開発事業との一体的な整備を想定。賑わい創出を図るため、交通インフラが充実した同地区を文化・産業・商業の交流機能を備えた新たなまちづくりの拠点として整備する。開発事業用地は約17haだが、このうち新公会堂用地には約2・7haを活用。映画館やインドアスポーツ施設を有するショッピングモールの誘致や、製造業などを活かした産業交流施設の整備を図る。
施設機能は大ホール部門と小ホール部門、創造支援部門、共用部門で構成。建物の規模は4階建て、延べ面積に9920平方mを見込んでいる。
大ホール部門は、客席数1300席で、2層バルコニー形式(1層980席、2層320席)。主舞台は18m×18mの広さとする。小ホール部門は、客席数330席で、リハーサル室機能を備えた多機能型(ロールバックチェア)、舞台は18m×9mの広さとする。
創造支援部門は、高機能なスタジオ4室を設ける。スタジオは2階のほか、楽屋利用もできるように、各ホールからアクセスしやすい1階にも配置する。
共用部門は、エントランスホールに情報・学習・展示・アーカイブなどのスペースを確保する。
駐車場は一般利用者用650台、思いやり駐車場8台、関係者用18台を確保する予定だ。
新公会堂の整備・運営については、民間活力導入の可能性を図るための調査を実施中。事業費総額が10億円以上の公共施設整備事業における市のPPP/PFI手法導入優先的検討要領に基づき、PFI方式とDBO方式、リース方式などの事業スキームを比較検討した。その結果、「PPP/PFI(民間活力)を導入した事業方式」での実施を念頭に検討することとした。
基本構想・基本計画策定支援業務は、シアターワークショップ(東京都渋谷区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVが担当。民間活力導入可能性調査報告書と基本構想・基本計画は25年度に繰り越して策定する。
今後は25年夏ごろに基本構想と基本計画をまとめて市長へ答申。25-27年度に事業者募集の準備と募集、選定を行う。26年度には地区計画の手続きなど、28-31年度に造成・設計・建設工事を行い、32年度中に開館する見通しだ。