成田空港周辺に「航空宇宙産業」を集積へ (千葉県議会)

[2025/1/30 千葉版]
 2月定例県議会の代表質問が29日に始まり、三沢智議員(自民党)が県政運営の課題をただした。成田空港周辺のまちづくりについて、熊谷俊人知事は、空港との親和性の高い「航空宇宙関連産業」の集積に向け、調査・研究に着手する考えを示した。

 成田空港周辺では「空港を核として、都市と田園が調和し、暮らしや産業の拠点として選ばれるエアポートシティ」の実現を目指している。

 2024年12月に地域未来投資促進法に基づく「成田新産業特別促進区域基本計画」を変更し、空港の特徴や強みを生かせる分野として、新たに「精密機器」「航空宇宙」「健康医療」「農業」「観光」の5つを追加した。

 調査・研究に着手する航空宇宙関連産業については、空港内の整備地区を核とした航空機エンジンのメンテナンスなど航空機整備産業のさらなる集積を図るほか、衛星や宇宙輸送など宇宙産業の整備・研究・製造拠点形成を目指している。

 熊谷知事は、成長分野の企業立地促進に向けて拡充する補助制度なども活用しながら、国内最大の貿易港である成田空港を核とした国際的な産業拠点の形成に向け、全力で取り組んでいく方針を示した。

 穴澤幸男副知事は、県営水道の強靭化について答弁。25年度当初予算案で必要な予算を計上したことを報告し、湾岸埋立地域の管路や浄水場、給水場の耐震化については、おおむね目標を達成できる見通しを示した。

 一方、大口径管路の更新や非常用自家発電設備の増強については、関係機関との協議に時間を要したことや入札不調などにより、目標の達成が難しくなっている。

 今後は関係機関と早い段階で協議を実施するほか、柔軟な工期設定を可能とするフレックス工期契約制度を活用しながら、事業を着実に進めていくとした。

 熊谷知事は、今後の県政運営について、成田空港の機能強化や圏央道、北千葉道路など広域道路ネットワーク整備などの動きを、より大きな成果に結び付けていくための取り組みが求められていると指摘。県民や企業、市町村など、さまざまな主体との連携・協働の必要性を訴え、県議会の理解を得ながら、自身が先頭に立って、県民の力と英知を結集し、本県のさらなる飛躍に向けて取り組んでいく考えを表明した。

 午後には守屋貴子議員(立憲民)が登壇し、保健医療大学の機能強化や港湾整備など19項目をただした。

 今後の登壇者は次の通り(質問順)。
【代表質問】
▽1月30日=篠田哲弥議員(公明党)、水野友貴議員(千政団)▽1月31日=加藤英雄議員(共産党)
【一般質問】
▽1月31日=河野俊紀議員(立憲民)、木名瀬訓光議員(自民党)▽2月3日=信田光保議員(自民党)、西ケ谷正士議員(自民党)、鈴木和宏議員(公明党)、小路正和議員(自民党)▽2月4日=榎本怜議員(国民)、雨宮真吾議員(自民党)、野田宏規議員(自民党)、宮坂奈緒議員(自民党)▽2月5日=田中幸太郎議員(自民党)、伊藤ちかこ議員(立憲民)、伊藤寛議員(自民党)▽2月6日=小川としゆき議員(自民党)、高橋秀典議員(自民党)、今井勝議員(自民党)

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