基本設計案まとむ 道の駅 26年度着工へ29億円投入(那珂市)
[2025/1/28 茨城版]
那珂市は、那珂IC周辺地域における「道の駅」整備で基本設計案をまとめ、パブリックコメントを行っている。意見の募集期間は2月4日まで。市では、これらの意見を踏まえて3月末までに基本設計をまとめる見通しだ。25年度には実施設計を策定し、26年度に造成工事、27年度に本体工事を行い、28年秋ごろの開業を予定している。概算事業費には29億3000万円が見込まれている。
基本設計は、世界の建築および建築史に造詣が深い建築家の藤森照信氏を起用し、エイプラス・デザイン(水戸市)と共同で策定している。道の駅には焼杉を使用した南向きの「山」を作ってシンボルとし、「里山」をコンセプトとした木造の施設を配置する。
藤森氏は、科学技術を自然の素材で包み込み、周囲の環境と調和させることを建築のテーマとし、「多治見市モザイクタイルミュージアム」や「ラコリーナ近江八幡 草屋根」など特徴的なデザインの建物を手掛けている。
市では、藤森氏の提案を受け、独自性の高い市のシンボルとなるような施設の整備を目指している。地元産へこだわり、▽地のもの▽地のとき▽地のゆめ──をコンセプトに設定。これを踏まえた農産物直売所や観光物産販売所、全天候プレイゾーン、飲食施設などのコンテンツを展開していく。運営は指定管理者制度で第三セクターが主体となる公設民営型の事業スキームを採用する考えだ。
建設地は、飯田地内の那珂インター線と菅谷・飯田線(バードライン)に面する那珂IC周辺地域の飯田押敷交差点北西側の約4万3000平方mの敷地に整備する。整備予定地に沿って那珂インター線と菅谷・飯田線を結ぶ外周道路を新設するほか、外周道路から那珂インター線へアクセスできる交差点と、菅谷・飯田線の北側へ信号機を設置した交差点を新たに設ける予定だ。
建物は木造で、敷地内に4棟を配置し、シンボルとなる「山」の裏側の建物は2階建て、ほかの3棟は平屋とする。建物の回りは回廊でつないで、分棟化した施設全体にひとつのまとまりを持たせる。シンボルとなる南向きの「山」は最大高さを約15m程度とし、駐車場は敷地の南側に配置して、訪れた人の目を引く特徴的な構造物とする。
建物は4棟に分け、延べ面積は約2825平方mを想定。2階建ての南棟(約820平方m)には、1階に店舗や厨房加工施設、観光情報案内スペース、エントランス、事務室など。2階にフードホール(108席)や厨房などを配する。西棟(約975平方m)は、観光物産販売所や農産物直売所、管理諸室、保管庫など。東棟(約500平方m)は、多目的・カフェスペース、道路情報・無料休憩スペース、トイレ、ベビーケアルームなど。北棟(約530平方m)は、全天候型プレーゾーン(約490平方m)や管理室、倉庫などを設ける。
敷地内には駐車場のほか、原っぱゾーンとしてイベントスペースや晴天プレイスペースなどを整備する。駐車場は一般418台、大型30台、バイク30台、従業員用50台の合計528台が駐車可能な規模とする。
概算事業費には29億3000万円を投じる予定で、内訳は建築工事に19億1000万円、外構工事に6億4000万円、造成工事に3億8000万円を見込む。
「道の駅」基本設計案は、市のホームページを参照するか、市役所2階産業部商工観光課インターチェンジ周辺開発推進室、瓜連支所、市立図書館行政資料コーナーで公表している。