成田空港周辺「エアポートシティ」実現へ 推進組織を4月設立(千葉県とNAA)

県庁で開かれた四者協議会

県庁で開かれた四者協議会

[2025/1/25 千葉版]
 成田空港周辺で「エアポートシティ」を実現するため、県と成田国際空港(NAA)が新たな推進組織を立ち上げることが24日、分かった。名称はNRTエアポートシティデザインセンター(仮称)。4月に設立し、エアポートシティの具体化に向け、ビジョンやゾーニングなどの検討を本格化する。

 県と成田空港周辺の9市町、国土交通省、NAAで構成する四者協議会が24日、県庁で開かれ、推進主体の設立について合意した。

 成田空港周辺の地域づくりに関する「実施プラン」では、空港周辺地域について「空港を核として、都市と田園が調和し、くらしや産業の拠点として選ばれるエアポートシティ」を将来像に掲げている。

 この将来像を実現するためには、取り組みを加速する推進体制が必要となる。そのため、県とNAAは準備会議を2024年9月に発足。準備会議で検討を重ね、方向性が固まったことから、県とNAAが一体となった推進体制を設立する運びとなった。

 名称はNRTエアポートシティデザインセンター。県とNAAで構成し、センター長に筑波大学の石田東生名誉教授が就任する見通し。事務所は空港内に設置し、専従職員を県とNAAから3人ずつ配置する予定だ。

 成田空港のさらなる機能強化や「新しい成田空港」構想による効果を空港のみならず、周辺地域にも最大限波及させるため、実施プランに掲げた「暮らし」「産業」「インフラ」の各分野における取り組みを強力に進めていく。

 当面の想定業務をみると、エアポートシティのビジョン案やロードマップ案、地域全体のエリアゾーニング案をとりまとめる。空港を核とした地域公共交通ネットワークの構築や産業拠点の形成に向けた取り組みを進めていくほか、市町のまちづくりを支援する。

 まちづくりを検討するため、民間事業者に対して事業提案を募集する方針。同センターとともに検討する民間事業者なども想定しているという。

 熊谷俊人知事は、成田空港を核とした国際的な産業拠点の実現、市町の枠を超えたまちづくりを進めていくためにも推進主体が必要と述べ、「魅力的なまちづくりの第一歩」と話した。

 NAAの田村明比古代表取締役社長は、空港周辺の発展に向けた施策の重要性を強調し、エアポートシティの実現に意気込みを示した。

 国交省の平岡成哲航空局長は「空港づくりは地域づくり」と述べ、四者協議会などを通じて、全面的に協力していく考えを示した。

 協議会ではこのほか、インバウンドが増加し、航空需要が拡大している状況を踏まえ、10月末の冬ダイヤから年間発着枠を4万回増やし、34万回で運用することについても確認した。

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