熊谷知事「鳥インフル防疫に全力」 県議会に79議案提出(千葉県)
[2025/1/24 千葉版]
2月定例県議会が23日に開会し、熊谷俊人知事は2025年度当初予算案など79議案を提出した。熊谷知事は、県内で連続発生している高病原性鳥インフルエンザについて、全庁を挙げた応援体制を構築し、国や自衛隊、地元市、関係団体などと連携しながら、1日も早い終息に向け、全力で防疫措置に取り組んでいく考えを示した。
鳥インフルエンザについては、今年に入り、全国的に感染ペースがあがるなか、本県でも1月12日からの8日間で、銚子市内4カ所、旭市内3カ所の農場から、あわせて215万羽の疑似患畜が確認されている。
熊谷知事は「近接した地域において、大規模農場での連続発生への対応が迫られる緊急事態」と強調し、協力している関係団体などに対し、感謝の意を表明した。これ以上の感染拡大を防ぐため、鶏卵産出県としての使命感を持って、最大限の対策に努めていく考えを示した。
成田空港を核とした産業拠点形成に向けた取り組みを報告。成田空港の特徴や強みを生かせる産業分野として、これまでの「物流」分野に加え、新たに「精密機器」「航空宇宙」「健康医療」「農業」「観光」の5つについても集積を目指すこととした。
昨年12月、地域未来投資促進法に基づく、「成田新産業特別促進区域基本計画」を変更することについて、国の同意を得ている。熊谷知事は、地域と空港の発展が好循環する地域づくりを推進していく方針を示した。
道路施策に関する国土交通省への要望活動についても報告。東京湾アクアラインについては、通行料金を800円などとするアクアライン割引を継続することのほか、6車線化などの交通容量の拡充方策について、中長期的な視点から検討することなどを昨年12月に要望している。
暫定2車線となっている富津館山道路については、安房地域の観光振興や地域活性化はもとより、能登半島地震を踏まえた半島地域の防災力向上などの観点から、4車線化の新規事業化について、沿線の首長や県議会議員の同席のもと、今月20日に要望を実施した。
つくばエクスプレス沿線地域の交流・連携の強化や、防災力の向上を図るため、都市軸道路のうち、事業化されていない利根川渡河部の新規事業化について、茨城県知事や沿線市で構成する期成同盟会とともに、22日に要望活動を展開している。
熊谷知事は「いずれの要望も、必要性について理解していただいた」と述べ、引き続き、国とも連携しながら、県内の道路ネットワークの充実・強化に取り組んでいく考えを示した。
緊急点検踏まえ、道路の法面対策
熊谷知事は、25年度当初予算案の概要を説明した。3月に知事選挙を控えていることから、「骨格予算」として編成。義務的経費や総合計画関連事業を中心に計上しているものの、新規事業であっても防災や防犯対策など、安全・安心の確立に向けて1日も早く取り組むべき事業などを盛り込んでいる。一般会計の予算規模は2兆1042億円。24年度2月補正予算と一体的に編成することで、切れ目なく事業を進めていく。
社会資本の整備については、北千葉道路のはじめとした道路ネットワークの整備を進めるとともに、緊急点検の結果を踏まえ、道路の法面対策に取り組む。
熊谷知事は、政策的な判断が必要な経費やインフラ整備のうち新規着手分などについては、「肉付け予算」として、6月補正予算で対応する考えを示した。