県土整備評価審で利根川橋梁の事業着手了承 事業費は498億円(千葉県)

[2024/1/23 千葉版]
 県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が22日、オンライン方式で開かれた。利根川を渡河し、柏市と茨城県守谷市間を結ぶ橋梁について、事前評価を実施し、新規事業として着手することを了承した。茨城県との共同事業となり、事業期間は18年を想定。総事業費は498億円を概算している。

 事業名は、都市軸道路利根川橋梁(仮称)新設事業。事前評価では、県道路計画課が事業概要を説明した後、事業着手の必要性や妥当性を審議した。

 都市軸道路は埼玉県三郷市から本県を経由し、茨城県つくば市を結ぶ、延長約30kmの広域幹線道路。利根川橋梁は都市軸道路の中で、県内唯一の未事業化区間となっている。

 事業区間は柏市小青田地区から茨城県守谷市大柏地区までの延長3.5km。その内訳は、本県の取付部1.6km、渡河部0.9km、茨城県の取付部1kmとなっている。

 つくばエクスプレスをはさみ、上り車線と下り車線の橋梁を新設する。道路の計画幅員は12m。渡河部は鉄道整備に併せ、一体下部工として2003年に整備済み。既設の橋脚は耐震化を検討していく。取付部は上部工、下部工とも必要となっている。

 全体事業費は約498億円を概算し、本県分は263億円。鉄道沿線での橋梁整備となるため、事業期間は長期間となる見込みを示し、18年間程度を想定している。

 費用便益比を示すB/Cは1.3。総合的な評価として、周辺地域の交通混雑緩和、安全性の向上が図られ、まちづくりの支援、交流人口の拡大、防災などの効果が期待できるため、事業着手が妥当とした。

金田西区画整理
事業費15億円増

 審議会ではこのほか、二級河川矢那川の河川事業と木更津市金田西地区の土地区画整理事業2件を再評価した。いずれも事業を継続することが了承されている。

 木更津市内を流れる矢那川では、浸水被害の軽減を図るため、矢那川橋から大正橋までの延長980m区間で河川改修を実施。富士見橋の架け替えに向けた準備を進めている。残事業費は61億3000万円で、進ちょく率は24%となっている。

 東京湾アクアラインの着岸地である金田西地区110haでは、県施行の土地区画整理事業を推進。事業費が15億円増加し、311億円規模となる見込みを示した。増額の内訳は、物価上昇などによる工事・委託費8億2000万円、関係機関との協議調整に伴う工事費など6億8000万円。事業費ベースの進ちょく率は87%となっている。

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