市区町村の取組課題 業務の運用指針調査 低入調査は本県3市町(国土交通省)

[2025/1/22 茨城版]
 国土交通省が24年7月1日現在でまとめた業務(測量、建築コンサルタント、土木コンサルタント、調査)に関する運用指針調査結果によると、ダンピング対策が進展する一方、市区町村では更なる取組改善が課題となっていることがわかった。本県市町村のダンピング対策では、最低制限価格制度を導入しているのが17市町村、低入札価格調査制度の導入は3市町に留まっている。

 この調査は、測量や調査、設計業務の発注関係事務が品確法運用指針に基づいて実施されているかを把握するために実施しているもの。公共工事に関する測量・調査・設計業務は、建設生産プロセスの上流に位置し、社会インフラの品質を確保する上で非常に重要な役割を担っている。19年6月に改正された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」では、広く法律の対象として位置づけられた。

 同法に規定する発注者等の責務等を踏まえ、発注関係事務が適切かつ効率的に運用できるよう、発注者共通の指針として、発注関係事務の運用に関する指針が定められている。国は、同指針に基づいて発注関係事務が適切に実施されているかについて毎年調査し、結果をとりまとめて公表している。

 調査では、▽低入札価格調査基準又は最低制限価格の設定・活用の徹底等▽履行期間の平準化・履行期限の分散▽入札契約方式の選択・活用(プロポーザル方式・総合評価落札方式の積極的な活用)──などを調べた。

 調査結果によると、ダンピング対策については、特殊法人等では約2割、市区町村では約4割が未導入となったほか、履行時期の平準化では、国の業務は7割超が第4四半期に履行期限が集中している状況となった。休日の考慮については、一部市区町村を除き、全ての団体で考慮されている。情報共有システム(ASP)では、特殊法人や市区町村の導入が1割未満にとどまっている。プロポーザル方式については、市区町村の導入に遅れがあり、総合評価落札方式では、市区町村の導入が1割未満にとどまっている状況とした。

 本県市町村の建築コンサルタントに関する状況を見ると、入札方式では総合評価方式の導入が桜川市の1市のみ。プロポーザル方式の導入は未導入が14市町、試行導入が7市町となっている。ダンピング対策では、低入札価格調査制度を導入しているのが潮来市と五霞町、利根町の3市町。最低制限価格の公表は、石岡市が全案件事前公表、13市町が全案件事後公表となった。平準化に向けた取り組みでは、債務負担行為の活用が8市町となっている。

 国交省では今後、都道府県公契連や発注者協議会、監理課長等会議などを通じて調査結果を共有し、発注関係事務の改善に向けた更なる取り組みを推進するとしている。

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