南部図書館を検討 図書館基本計画 見和図書館は長寿命化(水戸市)
[2025/1/21 茨城版]
水戸市は、第4次図書館基本計画の素案をまとめ、同案に対する意見の募集を行っている。基本施策では、「市民の学びを支える図書館ネットワークの充実」として、見和図書館の長寿命化や、(仮称)南部図書館の整備に向けた検討を盛り込んだ。
この計画は、今後の図書館づくりに向けた指針となるもので、計画期間は25-28年度の4年間。時代とともに移り変わる価値観や多様化する市民ニーズに対応した図書館サービスを提供するため、国や県の計画、SDGsの理念を踏まえ、第7次総合計画と整合を図りながら計画の策定を進めている。
市内には現在、6館の公立図書館が立地。市民センター図書室や学校図書館などと連携し、図書館サービスの充実を図っている。課題では、図書館運営の充実として、効率的・効果的な運営や計画的な維持管理と改修、バランスの取れた配置へ新図書館の整備検討などが挙げられている。また、デジタル技術を活用した図書環境の整備や、こどもの読書活動の推進、郷土資料と行政資料の収集と保存・活用、市民との協働による特色ある図書館づくりの推進などを挙げた。
第4次基本計画には、目指すべき姿として「誰もが読書に親しみ、学び、成長できるまち・水戸」を設定。基本方針として4項目を掲げ、「市民一人一人の豊かな学びを支える図書館づくり」の基本方針では、基本施策に「市民の学びを支える図書館ネットワークの充実」など4件を盛り込んでいる。
「市民の学びを支える図書館ネットワークの充実」の基本施策では、中央図書館を統括館として、このほかの地区館は指定管理者による運営を継続するとした。また、快適な読書環境の提供へ計画的な施設の維持管理を推進するほか、近年人口が増加している地域に(仮称)南部図書館の整備を検討する。
このうち施設の計画的維持管理の推進では、中央図書館について、建物や設備が安全かつ長期間にわたり使用できるよう、築50年に当たる30年度に向け、機能・役割などを含め検討を進める。見和図書館では、26年度に築20年を迎えることから、水戸市立図書館・博物館施設長寿命化計画に基づき改修する。
南部地区に新たな図書館については、高橋靖市長の任期中にも基本構想をまとめる見通しが示されている。現在、笠原地区を含む南部地区については、東部図書館のサービス圏と位置付けられている。一方、千波地区や吉田地区、浜田地区などは、特に人口が集積するエリアであり、笠原・吉沢・酒門地区は人口増加率も高いため、東部図書館の利用者数は多い状況にある。このため、地域住民の意向や実情を踏まえて、第7次総合計画の前期5カ年中に新図書館の整備検討を位置付け、検討を進めることとしている。