当初予算は骨格編成 複合施設新築に320億円 君津合庁を再整備へ(千葉県)
[2024/1/11 千葉版]
熊谷俊人知事は10日、会見を開き、2025年度当初予算案を発表した。3月に知事選挙を控えていることから「骨格予算」として編成したため、一般会計の普通建設事業費は前年度比20%減の1597億2800万円。継続費を設定し、新県立図書館等複合施設の新築工事や総合スポーツセンター体育館の建替工事に着手するほか、新規事業として君津合同庁舎の再整備などを盛り込んでいる。
一般会計の予算規模は前年度と同規模の2兆1041億5000万円。総合計画関連のほか、新規事業でも防災や防犯対策など安全・安心の確立に向けて1日も早く取り組むべき事業を推進する方針だ。国の補正予算を活用し、24年度2月補正予算と一体的に編成している。
普通建設事業費は、継続中の工事や年度当初から着手することが必要な事業を中心に計上。政策的な経費やインフラ整備の新規着手分については、「肉付け予算」として6月補正予算で対応する。
新規事業をみると、君津合同庁舎の再整備に7600万円を計上するとともに、3億7700万円の債務負担を設定。老朽化が著しい君津合同庁舎について、敷地内に新庁舎を建て替え、君津保健所と中部林業事務所を集約する計画だ。新庁舎の基本・実施設計のほか、仮設庁舎の実施設計に着手する。
新規事業ではこのほか、水道管路耐震化促進事業補助金1億7300万円を予算化する。能登半島地震の被害状況を教訓として、県内水道事業体の管路耐震化を促進するため、29年度までの5年間で集中的に支援する。
スポセン体育館
現地建替に着工
継続事業をみると、新県立図書館等複合施設の整備で319億9824万円の継続費を設定。県立図書館と県文書館の複合施設を「知の拠点」として整備するため、新築工事に着手する。施設規模は延べ1万9000平方mを想定。設計は日本設計(東京都港区)が担当している。
総合スポーツセンター体育館について、新築工事で139億2900万円の継続費を設定したほか、解体工事に4億6906万円を計上。現地で建て替えを進めていくもので、施設は延べ1万0950平方m規模を見込んでいる。設計はINA新建築研究所(東京都文京区)がとりまとめる。
合同庁舎再整備事業では、債務負担を設定し、3カ所で建設工事に着手する。限度額は安房合同庁舎が74億1900万円、銚子合同庁舎が28億9030万円、匝瑳合同庁舎が29億1500万円。期間はいずれも27年度までとする。
道路ネットワーク事業では505億6023万円を配分するとともに161億3100万円の債務負担を予算化する。北千葉道路の全線開通に向けて、橋梁や道路改良工事、アクセス道路の調査設計などを進めるとともに、銚子連絡道路(匝瑳市~旭市間)や長生グリーンライン(茂原市~一宮町間)について、早期着工に向けた協議を進めていく。
一宮川流域浸水対策特別緊急事業では17億2094万円を計上するとともに17億5000万円の債務負担を設定。上流域や支川で河川改修や調節池の新設、中下流域で河道掘削や護岸工に取り組むとともに、新たに鶴枝川で堤防かさ上げを実施する予定だ。