養老川に貯砂ダム新設 八千代エンジで検討進む(千葉県)
[2025/1/9 千葉版]
千葉県高滝ダム管理事務所は、土砂流入を抑制するため、二級河川養老川で貯砂ダムの新設に乗り出す。検討業務を八千代エンジニヤリング(東京都台東区)に委託して進めている。養老川の支川・万田野川に整備する貯砂ダムについては、2025年度の着工を目指している。
高滝ダムでは、流入する土砂を貯砂ダム2基で抑制した上で、貯水池内に堆積した土砂を撤去している。想定以上に土砂の流入が多く、効率的な堆積土砂の撤去を行うため、新たな貯砂ダムを整備する計画だ。
業務名は県単河川総合開発委託(高滝ダム貯砂施設検討)。同業務では養老川に貯砂ダムを整備するため、設置場所の比較検討などを進めている。履行期限は3月まで。
本川に先立ち、支川の万田野川に新設する貯砂ダムに着工する。市原市本郷地区に容量4800m3規模の施設を建設する計画だ。主に鋼製枠となり、ダムの高さは4・5m、頂長は約64m。詳細設計業務は大日本ダイヤコンサルタント(東京都千代田区)が担当した。
工事名は県単河川総合開発工事(万田野貯砂施設工)。月内にも一般競争入札の手続きを開始する予定だ。年度内に施工者を選定し、25年度の着工を目指す。工期は19カ月を想定している。
高滝ダムの下流に位置する養老川では、23年9月の台風13号に伴う大雨により増水し、高滝ダムで緊急放流する可能性が高まった。緊急放流が実施されると、下流部の水位が上昇し、河川が氾濫する恐れもある。堆砂が洪水調節容量に影響が及ぶ前に、ダム湖の堆砂撤去や新たな貯砂ダムの整備による堆砂対策が求められている。