堤防新設へ設計5件 来月公告/宮城県 登米市の狭あい区間(北上川下流)

[2024/12/21 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は、北上川下流の狭あい部で堤防(輪中堤)を新設するため、年度内に設計業務5件などを委託する。対象地は登米市東和町錦織川端地区と錦織二良根地区。堤防の新設に伴って樋門の設置、揚水機場の改築、水路の付け替えなどを行うため、これらの設計を委託する。5件とも来年1月に一般競争入札を公告する予定。

 設計業務は、川端地区の堤防等設計業務が1件、樋門設計業務が1件、揚水機場設計業務が1件、二良根地区の揚水機場設計業務が1件、水路工設計業務が1件で計5件。履行期間はいずれも約10カ月。

 揚水機場の設計業務は、川端地区と二良根地区の2件を一括公告し、一括審査方式で落札決定する。

 両地区とも岩手県境の近くに位置し、山に囲まれていて川幅が狭い。このため家屋を囲む形で輪中堤を築き、洪水被害などから家屋を優先的に守る。

 堤防の延長は川端地区が約1kmで、それより上流の二良根地区がもう少し短くなる見込み。現地盤から5m以上は盛土して堤防を築く。既存の揚水機場は堤防を乗り越す形に改築する予定。二良根地区は隣接する山から沢が流れているため、流末の水路を付け替えるために水路工設計を委託する。

 年度内にはこのほか、北上川下流狭あい地区の測量調査業務と地質調査業務も一般競争入札で委託する。2件とも来年1月に入札公告する見通しで、履行期間に約10カ月を設定する。

 北上川下流の狭あい部は、川端地区と二良根地区のほか、中畑(大清水)地区がある。大清水は河川堤防があるものの、残りの2地区にはない。

 昨年度は3地区の治水対策に向けた事業計画書検討業務を八千代エンジニヤリング(北日本支店・仙台市青葉区)、輪中堤2カ所の概略設計業務を東邦技術(仙台支社・仙台市若林区)・八千代エンジニヤリング設計JV、測量業務をダイワ技術サービス(仙台市宮城野区)、地質調査業務を復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)に委託した。

 測量や地質調査は手を付けられていない箇所があるため、本年度に追加で委託する。

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