千葉県内の補正予算事業箇所 圏央道や流域治水に重点(国交省)

[2024/12/19 千葉版]
 国土交通省は、補正予算が成立したことを受け、千葉県内の事業実施箇所を発表した。直轄事業では首都圏中央連絡自動車道で県内唯一の未開通区間となっている大栄・横芝間や利根川下流の流域治水、補助事業では北千葉道路のほか、銚子連絡道路の一部を構成する山武東総道路三期などに重点配分している。

 この補正予算は、11月22日に閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づき、「国民の安心・安全の確保」など3つの柱について、必要な経費を計上。資材価格高騰の影響などを考慮した経費も措置している。

 直轄事業をみると、道路関係では、首都圏中央連絡自動車道の「大栄・横芝間」に43億2600万円を配分し、2026年度の開通に向けて、工事を加速する。4車線化を進めている「つくば・大栄間」には47億6000万円を計上している。

 このほか、東京外かく環状道路(千葉県区間)と127号防災(館山市~富津市)にそれぞれ3億円、国道51号北千葉拡幅(千葉市~佐倉市)に1億8000万円、国道51号大栄拡幅に5000万円を配分する。

 河川関連では、利根川下流(銚子市、茨城県神栖市)で30億0800万円、江戸川(流山市)で8億1100万円を増額。流域治水の一環として、堤防整備などを進めていく。

 港湾関連では、国際拠点港湾に3億3800万円、高潮対策に9億円を計上。千葉港(千葉市)の千葉中央地区複合一貫輸送ターミナル整備事業や千葉港海岸(船橋市)の直轄海岸保全施設整備事業を加速する。

 営繕関連では千葉港湾合同庁舎(千葉市)の空調設備改修に7400万円を追加している。

 補助事業をみると、北千葉道路(成田市)に2億5600万円、塩田町誉田町線・塩田町地区(千葉市)に2億円を計上。このほか、茂原一宮道路(長南町~茂原市)に4000万円、茂原一宮道路二期(茂原市~一宮町)に3000万円を追加する。

 河川関係では、浸水被害を受けた一宮川の河川激甚災害対策特別緊急事業(茂原市、睦沢町、長生村)に4億9600万円を配分。流域治水ではこのほか、旧江戸川(市川市、浦安市)に6億6100万円、長門川(印西市、栄町)に9500万円、赤目川(茂原市)に8400万円を増額する。

県内補助事業242億円

 補正予算では、関東地方整備局に4189億円を配分。このうち、県内の補助事業は242億2000万円。その内訳を大きい順にみると、社会資本総合整備189億8400万円、河川・ダム・砂防24億7800万円、道路24億4600万円、海岸1億9000万円、上下水道6300万円、市街地整備3200万円など。

 予算の配分に当たり、地域の実情や地方公共団体の要望などを勘案しつつ、高い緊急性と効果が認められる事業に重点を置いている。特に防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策分を含む「防災・減災、国土強靱化の推進」に予算を配分している。

 経済成長を着実に進めるため、地方創生や生産性向上につながる公共事業を目指す。気候変動の影響による災害の激甚化・頻発化に対応するため、ハード・ソフト一体となった事前防災対策を加速化する方針だ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.