現庁舎敷地に建設 基本計画案概要 事業費増額で約36.6億円(河内町新庁舎)
[2024/12/17 茨城版]
河内町は15日、新庁舎の建設計画で、基本計画案の町民説明会を開催した。基本計画案によると、これまで2カ所を候補地としていた建設地は、現庁舎敷地内の西側を拡張しながら活用する考えが示された。浸水想定区域であることから敷地を嵩上げする方針だ。想定事業費は、23年8月に答申した検討委員会による報告書時点から7億円増額され、約36億6000万円と試算している。基本計画は年度内にまとめ、28年度の着工、30年度の供用開始を目指す。
農村環境改善センターで行われた説明会には、約30人の町民らが参加。担当する都市整備課や、基本計画をまとめているオオバ(東京都千代田区)の担当者らが対応に当たった。野澤良治町長は冒頭のあいさつで、県内自治体の庁舎では最も古いことなど、改築に至る経緯を説明したうえで、基本計画案に対する理解を求めた。
基本計画案では、整備方針として▽人にやさしく利用しやすい庁舎(窓口機能、アクセシビリティ機能)▽無駄を省いたスリムな庁舎(行政機能)▽町民参画の拠点となる庁舎(文化・交流機能)▽防災拠点としての庁舎(防災拠点機能)▽環境に配慮した庁舎(環境配慮機能)▽議会活動の拠点としての庁舎(議会機能)──を掲げる。
構造・設備の方針では、耐震性能の確保に向けて、構造形式を検討。水害時に免震装置などの浸水の恐れがなく、建設コストも抑えられることから耐震構造を採用する。
浸水対策では、利根川氾濫時に町全域が浸水想定区域となることを踏まえ、盛土による1.7m以上の嵩上げを行う。このほか、防水壁、止水板を組み合わせた浸水対策を検討する。防災拠点として機能できるよう、災害対策本部やサーバー設備などは2階以上の位置に配置する。
環境への配慮では、「ZEB Ready」以上を目指して検討。建築構造ではRC造を基本方針とし、今後の基本設計で決定する。
新庁舎の規模は、3階建てを目安として、延べ約2900平方m(建築面積約約1100平方m)を想定。必要な敷地面積は約1万2300平方mとし、公用車(45台)駐車場に約1200平方m、一般駐車場や防災拠点、避難場所、多目的広場などに約1万平方mを充てる。
建設地については、アンケート結果や利根川からの距離などを踏まえて現庁舎案を選定。候補となっていた中央公民館南側案と比較すると、アクセス道路整備の必要がないことや、敷地拡張分の面積が少ないことなどから、約2億円の経費削減が期待できるとした。庁舎の設置位置は、現庁舎駐車場の西側に配置。北西側に約2870平方mの敷地を拡大する。
事業手法には、設計・施工分離発注の従来方式を採用する。事業スケジュールは、年度内に基本計画をまとめたあと、25-27年度で基本・実施設計を策定し、28年度から2カ年で工事を進める。
設計では、最初の2年間で基本設計や建設地の調査を行い、実施設計に反映させていく。盛土に加え、軟弱地盤であることから必要に応じて対応策を検討する。盛土などの造成工事については、先行して着工する可能性もあるとしている。
供用開始は30年度中を予定している。完成後は現庁舎の解体工事や跡地への駐車場整備を進める予定だ。