砂防堰堤各1基を整備 山際沢と山際二号沢 本年度から用地補償へ(鹿沼土木)
[2024/12/12 栃木版]
県鹿沼土木事務所は、利根川水系永野川支流の山際沢と山際二号沢に整備する砂防堰堤について、このほど詳細設計をまとめた。いずれも鹿沼市の下永野地内で、下流域の集落などを保全するため透過型で整備するもので、近く地元説明会を開催したあと、用地測量や用地補償を実施する。計画によると、いずれも事業期間は2028年度までを予定し、事業費はそれぞれ約1億5000万円を想定している。
山際沢(流域面積0.39平方km)は鹿沼市下永野山際に位置する土石流危険渓流で、山際二号沢(流域面積0.05平方km)も山際沢の南東側に近接する土石流危険渓流。いずれも渓流内に不安定な土砂が堆積し、豪雨などで下流に流出するおそれがあることから、砂防堰堤を整備して流出土砂の抑止を図る。
山際沢は県道栃木粕尾線(延長304m)のほか、公共施設の山際多目的集会センターや永野村づくり農産加工所、および人家28戸を保全対象とする。また山際二号沢も、県道栃木粕尾線(延長273m)と山際多目的集会センター、永野村づくり農産加工所、および人家35戸を保全対象とする。
山際沢に整備する砂防堰堤はスリットダムで、堤長が43.8m、高さが7.5m。中央部に幅6.5mのスリットを設けて、通常時は水を流し洪水時には土石流をくい止める。このほか、カゴ工(延長10.0m)や付替道路(延長326.2m、幅員4.0m)、立入防護柵の設置なども実施する。
山際二号沢では、堤長29.7m、高さ6.5mのHBBO+型スリットダムを整備し、下流側には垂直壁も設ける。その周囲では、渓流保全工(延長94m)、ブロック積擁壁工や法面保護工、フトン籠工、および付替道路工(延長265m)を実施する。
砂防堰堤の詳細設計は、山際沢を富士コンサルタンツ、山際二号沢を大日本ダイヤコンサルタントが担当。また、地質調査業務は山際沢をアーステック、山際二号沢を日本測地に委託した。本年度はこれまで、山際沢の設計業務を富士コンサルタンツ、測量業務を安田測量に委託している。