白狐川の砂防事業 堰堤整備で3.6億円増(千葉県)
[2024/12/12 千葉版]
千葉県の県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が11日、オンライン方式で開かれ、白狐川(富津市)の砂防事業を再評価し、事業を継続することが了承された。今後、堰堤3基や延長280mの流路工を進めていく計画。堰堤の施設配置を見直したため、事業費を3億6000万円増額する。
この事業は、再評価の対象となる全体事業費が40億円以上の規模でないものの、社会資本整備総合交付金事業から、砂防関係の国庫補助事業に移行するため、再評価を実施した。
県は、白狐川流域全体の土砂災害に対する安全性を高めるため、砂防事業を進めている。全体計画では堰堤8基、床固工4基、延長2674mの流路工を計画。このうち、堰堤5基、床固工の全基、延長2394mの流路工が完了している。
事業計画では、総事業費を3億6000万円増額し、39億8000万円とする。地形や地質など現地の条件や関係者調整などにより、堰堤の施設配置を見直すため、増額する。
事業期間は3年延伸し、2032年度までとする。進入路が耕作地となっており、耕作期間外の工事となるため、工事の制約や地権者との調整に時間を要しているほか、施設配置を見直すことが要因となっている。
事業全体の費用便益比(B/C)は2.31。白狐川周辺は、想定氾濫区域内に家屋や資産などが集中しているため、土石流が発生した場合、人的・物的被害が発生し、生活に与える影響が極めて大きい。事業費ベースで8割程度が進ちょくしており、地元からの要望も大きく、早期対策が望まれている。このようなことから、事業を継続する対応方針案が示され、了承された。
富津市南部に位置する白狐川は、延長5.1kmの砂防指定地。この流域は風化しやすい泥岩や砂岩が主体となっており、中流域では渓岸や渓岸が浸食し、上流域では荒廃が著しい箇所で豪雨時に土砂流出の危険性が高い。上流からの流出土砂による河床上昇から、河川氾濫の危険性も高くなっているため、早急な対策が求められている。