卸売市場の再整備 民活導入し規模縮小へ 余剰地活用も(千葉市)
[2024/12/11 千葉版]
千葉市は、老朽化が進む地方卸売市場(美浜区)の再整備を検討している。民間活力を導入しながら、施設規模を縮小するとともに、余剰地を再整備の財源に活用する方針。神谷俊一市長は、民間活力を積極的に取り入れた事業スキームを早急にとりまとめる考えを示している。
同市では本年度、地方卸売市場の再整備に向け、民間活力導入可能性調査を実施。複数の民間事業者へのサウンディングを重ねながら、整備費の縮減や工期の短縮ともに敷地全体の有効活用を含む、具体的な整備手法について検討を進めてきた。
その結果、基本的な考え方として、▽適切な温度、衛生管理が可能な施設への転換を図り、将来にわたり、生鮮食料品の安定供給を図ること▽取り扱い目標に合わせて、施設規模を縮小するとともに余剰地を再整備の財源に活用すること▽市場運営を継続しながら、新たな市場を建設し、移転後に既存施設の解体を繰り返す「ローリング工法」を採用すること──の3項目をとりまとめた。
事業手法については、従来方式やPFI、リース方式などを定量的・定性的に比較検討。その結果、民間活力を導入することで、財政負担の平準化や高い税収効果が見込まれるほか、民間事業者からの提案による創意工夫や施設管理の一元化が期待できるとした。
市場規模の縮小によって生じる余剰地部分については、財政面の貢献が期待できる流通業務機能の導入なども含め、物流機能を強化するなど、市場用地を最大限有効活用する方針だ。
神谷市長は「再整備を進めていくことにより、生鮮食料品など重要な流通拠点としての機能を維持・発展させるとともに、今まで以上に市民に開かれた卸売市場となるよう取り組みを進めていきたい」と話している。
民間活力導入可能性調査業務は日建設計総合研究所・日建設計コンストラクション・マネジメント共同企業体が担当した。
千葉市地方卸売市場は1979年に開場。築40年以上が経過し、施設全体の老朽化が進んでいる。建物面積は7万4170平方m。主要施設は管理棟(RC造3階建て延べ2569平方m)、青果棟(RC造一部3階建て延べ2万2872平方m)、水産棟(RC造3階建て延べ2万0218平方m)、関連棟(RC造2階建て延べ8142平方m)、エネルギー棟(RC造3階建て延べ2575平方m)などとなっている。