安全対策に13億円 本庁舎 止水壁や排水ポンプ設置など(日立市補正)
[2024/12/11 茨城版]
日立市は、5日開会の定例市議会に、6億2099万円を追加して総額を791億0882万円とする一般会計補正予算案(補正第4号)を提案した。主なものでは、「令和5年台風第13号」の豪雨被害を受けた市役所本庁舎の安全対策事業費として、3カ年(24-26年度)の継続費に総額12億9156万円(本年度分5億0450万円)の工事費を設定する。工事では、庁舎外周部への止水壁設置や緊急排水ポンプの設置などを行う。
市役所本庁舎の安全対策は、市が9月に策定した「市庁舎安全対策計画」に基づき、本庁舎の防災機能強化を図るもの。概算事業費には約31億円を投じ、庁舎の止水対策や庁舎敷地内にある河川合流部の改修などを進めていく。
今回確保する工事費では、▽庁舎外周部への止水壁設置▽免震グレーチング閉塞▽止水扉改修(地下階)▽地下階機械室への緊急排水ポンプ等設置──などを行う。
市庁舎安全対策計画によると、止水壁は庁舎外周部の水防ライン上(庁舎内への浸水を防止する境界線)に設置し、庁舎1階や地下階への浸水を防ぐための設備となる。具体的には、庁舎西側外周部に高さ80cm、庁舎北側外周部に高さ100cmの止水壁をそれぞれ設置。庁舎南側外周部には高さ50cmの着脱式止水板と、地下進入路外周に高さ110cmのRC整止水壁、高さ80cmのアルミパネル止水壁などを整備する計画だ。
免震層の止水化対策では、免震グレーチングの未閉塞部(東側)からの浸水防止へ、免震オイルダンパーへの止水壁設置や排水ポンプの制御盤移設、監視カメラの設置などを行う。これらは設計がまとまったものから着工する運びで、全ての工事を25年度末までに着工。26年度中の工事完了を目指す。
このほか、市道3509号線改築事業では、総額6億7257万円を確保していた5カ年(23-27年度)の継続費について、8億5987万円に増額する。常磐線隣接区間の整備をJRに委託して実施するもので、擁壁設置に当たり測量や地質調査を行った結果、地盤改良工事の必要が生じたため、事業費を増額する。
地域密着型サービス施設等の民間施設整備費補助金では772万円を計上。医療法人永慈会が運営する認知症高齢者グループホーム「神峰の森」(本宮町)の防災設備(非常用自家発電設備)の整備に係る費用を補助する。学校給食共同調理場には工事費2352万円を予算化。南高野調理場について、空調設備や真空冷却機の改修工事を行う計画だ。