宮城県土木部 土木・建築行政計画 3年間の投資額約2200億円 中期プラン素案まとめる
[2024/12/10 宮城版]
県土木部は、県土木・建築行政推進計画(2021~2030年)に基づき、2025年度から27年度までを計画期間とする「中期アクションプラン素案」をまとめた。3年間の計画投資額は、現時点の想定で約2200億円を見込み、緊急輸送道路の橋梁耐震化率や橋梁の長寿命化対策率、河川整備率の目標値を定め、効率的・効果的に社会資本整備を進める。素案は県土木総務課のホームページなどで10日から公開し、県民や市町村の意見を聞いたうえで、3月下旬に決定する。
土木・建築行政推進計画は、県土木部が2021年から10年間に取り組む社会資本整備の考え方を示している。前期4年のアクションプランが本年度で終了するため、中期3カ年のプランを本年度末までに策定する。
前期アクションプランでは、国の「国土強靭化のための5か年加速化対策」予算を活用して、期間内の計画投資額約2920億円はおおむね確保した。これで示したハード整備の目標値は、緊急輸送道路の橋梁耐震化率が目標75%に対して78%、河川整備率が目標38.7%に対して38.8%となるなど、おおむね達成する見通し。ソフト施策については、社会情勢の変化に影響を受けやすいため、取り組みの強化が必要となっている。
中期アクションプランでは、資材価格の高騰や賃上げに伴う人件費の上昇、気候変動によって頻発化・激甚化する自然災害、働き方改革など踏まえて策定する。財源として活用してきた「国土強靭化のための5か年加速化対策」は25年度で終了するが、後継計画「国土強靭化実施中期計画」の法制化を見込んで素案をまとめた。
こうした背景から、インフラの長寿命化や老朽化対策に必要な維持管理系予算を優先的に確保する。実施中の事業は効果を早く出していくため、可能な限り完成年度を維持できるように予算を確保する。新規個所については、財政状況が厳しい中で「選択と集中」が必要であり、地域の実情に配慮しながら、実施年度や機関の見直しを検討する。
計画投資額の内訳は、道路改築や河川整備といった建設系が約1070億円、橋梁の長寿命化や舗装補修などの維持管理系が840億円、直轄事業負担金が290億円となる。前期4カ年の計画と比べると、維持管理系の投資割合を増やし、直轄事業負担金を減らしている。建設系は前期計画並み。
今回の中期アクションプランの策定にあわせて、10年間の県土木・建築行政推進計画の一部見直しも行う。計画全体の投資額は、現行計画約6000億円以上から約7100億円以上に増やす。事業の推進に当たっては、国の財政支援制度を最大限に活用して財源を確保する。