治水の目標流量設定 整備計画見直しで(利根川・江戸川有識者会議)
関東地方整備局は12月6日、さいたま市内で、第2回利根川・江戸川有識者会議(座長・清水義彦群馬大学大学院理工学府准教授)を開催した。気候変動に対応した治水対策を進めるため、利根川水系利根川・江戸川河川整備計画の見直しを進める。今後30年間の整備の目標となる流量を、現行計画の八斗島基準・毎秒1万7000立方mから同2万1200立方mに引き上げる方針だ。
2回目となる会合では、災害の発生の防止と軽減に関する目標、流水の正常な機能の維持に関する目標、河川環境の整備・保全に関する目標などについて意見を交わした。
今後30年間の整備の目標となる流量については、気候変動をふまえ、カスリーン台風(1947年9月)と同等の毎秒2万1200立方mへ変更する。目標流量の根拠は、断面図など用いて次回以降に提示する。
流水の正常な機能を維持するために必要な流量は、利根川河口堰下流地点で、おおむね毎秒30立方mなどとし、流量を安定的に確保する。
河川環境の目標については、瀬と淵、湿地環境などの保全・創出や、魚類の遡上・降下環境の改善に努める。
整備計画見直しの見直しは、今年7月に、河川整備の目標となる洪水時の流量などを定めた利根川水系河川整備基本方針が変更されたことをふまえたもので、洪水(基本高水)のピーク流量は、基準地点・八斗島において毎秒2万6000立方mに引き上げられている。
なお、有識者会議とあわせ、利根川・江戸川河川整備計画関係都県会議が4日に開催された。次回は13日の予定。