入札制度見直し 受注機会確保に配慮(千葉県)
[2024/12/6 千葉版]
千葉県議会の県土整備常任委員会が5日開かれ、ランダム係数を用いた最低制限価格と調査基準価格の算定など、入札・契約制度の見直しについて報告された。受注環境の急激な変化にならないよう、受注機会の確保に配慮しながら工事を発注する方針などが示された。
委員会では、補正予算案など8議案について審議し、いずれも原案の通り可決すべきと決定した。
質疑では、委員から、一般競争入札の適用下限額を2000万円まで引き下げるなど入札・契約制度の見直しや、工事発注の平準化などについて質問があった。
入札制度の見直しについては、「予定価格が2000万円から5000万円のリスクの高い、利益率が高くない工事については、入札不調が出てくる可能性が高いのではないか」との意見があり、高橋俊浩建設・不動産業課長は、「どのような工事を予定しているのかを早めに示すなど、事業者が対応をとれる期間を設けるほか、業界からの要望など聞きながら対策をとっていきたい」と答えた。
建設業界への事前の説明については、「見直しについて説明しており、地元業者への配慮など、さまざまな意見をいただいている。今後も適切に制度を運用し、地元の業者も受注環境の急激な変化にならないように、受注機会の確保に配慮して、地域の守り手としてやっていただけるように取り組んでいく」と説明した。
ランダム係数の導入については、「開札時まで調査基準価格、最低制限価格が決定しないので、情報の漏洩防止に一定の効果があると考えている。どういう係数にするか検討しており、適切な制度となるよう取り組みたい」と述べた。
一方、工事発注の平準化については、新村理県土整備政策課長が、一般会計では総額154億円の債務負担を設定しており、23年度と比較して22億円の増となることを説明した。
委員からは、ゼロ債活用工事のスムーズな発注を求める発言があり、新村課長は、「発注計画を適切に見直し、入札に必要な設計準備などを計画的、適切に管理していくことが大切になる。このような取り組みを各事務所で、しっかり進めながら工事を発注したい」と述べた。
また、委員会の冒頭、四童子隆部長は、首都圏空港道路ネットワークの検討状況、東京湾アクアラインの通行料金、11月に開催した千葉港ポートセミナーなどついて報告した。
空港機能強化の効果を波及する首都圏空港道路ネットワークの整備については、第2回の検討分科会を4日に開催し、県内における高規格道路ネットワークの課題を検討した。今後は、方針の立案に向け、関係者へヒアリングを実施する。
東京湾アクアラインのE丁C時間帯別料金の社会実験については、3日に開催した検討会で、25年4月から上り線の料金を見直すとともに、新たに下り線でも実施することを確認した。今後は、需要平準化への効果を検証する。
県内港湾の利用促進については、千葉港の魅力と将来性を船会社や荷主会社らにアピールする千葉港ポートセミナーを都内で開催し、熊谷知事が千葉港の機能強化に向けた取り組みをアピールした。今後も、県内港湾の更なる利用を呼びかけていく。