新産業団地を検討 都市計画マスプラ 足利SICなど交通網充実(足利市)

[2024/12/5 栃木版]

 足利市は都市計画マスタープランについて、前回の改訂から5年が経過したことから、一部を見直して改訂した。新たなプランでは、都市交通網の方針として道路網の利便性をさらに高め充実させるとして、東西南北にそれぞれ3つの軸を設定。そのうえで、内と外に環状線を整備することで、市の広域交通ネットワークを構築するとともに、近隣都市や地域拠点との放射状の連携を強化する。また新たな産業を創出するため、久保田地区や里矢場地区に産業振興拠点を設定し、企業誘致に力を入れていく。

 足利市都市計画マスタープランでは、多彩な地域と人が協調しあい、活力あるまちづくりを基本的方針とし▽誰もが健やかで安全安心に暮らし続けることができる▽災害に強く安全性の高い▽持続可能で時代のニーズに対応▽足利固有の魅力ある資源を活かした個性が際立つ▽多様な産業活動を支える-まちづくりを目指している。

 全体構想として、市内を4ゾーンに区分し、市街地中心部、都市的土地利用、田園的土地利用、自然的土地利用として、ゾーン区分に合わせた利用を推進する。

 都市交通の方針では、公共交通網と連結した道路網を構築し、自動車に過度に依存しない都市構造を目指していく。また利便性を高める交通環境の充実として、首都圏や宇都宮・東北方面と連携をより強化するため、市の東西と中央に軸となる道路を設定。さらに50号、旧50号、北関東自動車道を東西の道路軸として設定し、これらを中心に環状線や放射状に延びる道路を整備することで、広域交通ネットワークの構築と近隣都市や地域拠点との連携を強化していく。

 地域別構想の中では、前述の全体構想の骨格を基に、地域の個性や特性を取り入れ、まちづくりの内容をさらに具体的に策定している。足利中央ではまちなか賑わいプランや土地区画整理事業などの推進により、安全安心で快適に生活できる、活気ある市街地の再生・再構築を進める。

 山辺・矢場川・御厨地区では、里矢場地区において産業振興拠点を設定。企業誘致に向けて歩みを進めていくほか、中橋架け換え事業による南北の連携強化を進める。毛野・富田地区では、あしかがフラワーパーク駅周辺を観光資源の活用と産業振興を図るため、地域複合拠点としてまちづくりを推進する。

 三重・山前地区では、競馬場跡地を行政・医療・健康・防災などの機能を有した地域複合拠点として位置付ける。また、足利スマートICの設置と東西方向への道路整備を進めていく。葉鹿・小俣・三和地区は、老朽化した公共施設の適正整備や、里山ならではの資源を活用し、地域の魅力や価値の向上を目指す。

 名草・北郷地区は既存産業団地の維持・保全を図るとともに、必要に応じて産業用地の拡張を検討していく。筑波・久野・梁田地区では、久保田地区に新たな産業団地として来年度以降に事業化に向けた調整を進めていくなど、土地利用の転換を検討している。

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