新たな市民会館の建設へ 建設費など条件整理 (千葉市)
[2024/12/3 千葉版]
千葉市は2日、千葉市民会館の再整備事業について、進ちょく状況を明らかにした。新たな市民会館の建設に向け、JR東日本と協議を続けながら、市有地などを含めた建設場所を比較検証するため、概算建設費の積算や周辺環境などの条件整理を進めていることが分かった。
市議会環境経済委員会の新市民会館建設に関する陳情書の中で、市民局が報告した。陳情書では、市民団体が利便性などを考慮し、市役所本庁舎敷地の将来検討予定地を活用するよう求めている。
同市では、市民会館の再整備に向け、基本コンセプトや建設候補地、施設構成、整備手法などを定めた基本計画を2021年11月に策定。JR東日本が千葉駅前の千葉支社跡地に建設する複合ビルに市民会館と一体整備することについて、22年4月に基本協定書を締結した。
その後、23年9月にJR東日本から工事費の高騰などにより、複合ビル計画を見直したいとの申し出があり、別棟案が提示された。これを受け、同市はJR東日本との協議を続けながら、市有地での整備も含め、JR東日本千葉支社跡地と市有地で建設した場合と比較検証するため、概算建設費の積算や周辺環境などの条件整理を進めている。
陳情に対し、市民局は、基本計画の基本コンセプトが実現できるよう、整備場所などを慎重に判断すべきと考えており、現在検討を継続していることから、将来活用検討地を整備場所として決定することは難しい考えを示した。
市議会常任委員会では陳情書が賛成少数で採択されなかったものの、委員からは、施設の老朽化が進んでいるため、スピード感をもって検討を進めるなど、早期の建設を求める意見が多数出された。
基本計画の中で施設整備の考え方をみると、延床面積は現市民会館の面積を基本に必要な面積を確保するとした。さまざまなジャンルで利用可能とし、ユニバーサルデザインや災害・感染症対策にも配慮する。
大ホールは多目的ホールとし、客席は1500席程度を基本とする。小ホールは現在と同規模の300席程度で検討するとした。
市民会館の構造・規模はRC造地下1階地上4階建て延べ5993平方m。施設は大ホール(1001席)や小ホール(316席)、会議室(7室)、特別会議室(2室)などで構成している。
市有施設で唯一1000席規模のホールをもつ施設で、1973年の開館以来、音楽や演劇などの優れた文化芸術に触れる場や、各種団体の発表の場として、多くの市民に親しまれてきた。開館から半世紀が経過し、建物躯体は耐震補強しているものの、給排水など設備の老朽化が進んでおり、対応が求められている。