警察署跡地を広場に 中心市街地都市再生計画 伝建地区でモニュメント整備(栃木市)
[2024/11/26 栃木版]
栃木市は、中心市街地地区の都市再生整備計画案を公表した。それによると、計画期間は2025年度から29年度までとし、巴波川沿いの公園再整備、旧栃木警察署跡地広場の整備、市役所近隣の道路整備、市街地のまちづくり計画の策定などを盛り込んでいる。嘉右衛門町伝建地区の味噌工場跡地は駐車場やモニュメント整備を行い、栃木文化会館も各種整備を進めていく。
計画の対象区域は市役所本庁舎、JR栃木駅、東武鉄道新栃木駅などを含む、中心市街地地区の310haとなっている。市は中心市街地を、都市と歴史・文化が融合した賑わい、魅力ある蔵の街にする方針で、住環境を向上させ、市民や来街者などの交流の場を形成することで、交流人口の増加で賑わいと地域の活力の向上を目指していく。
地区西部の巴波川沿いに位置するうずま公園や瀬戸河原公園は、経年劣化が進行していることから再整備を行い、市民や観光客の憩いの場や交流の場を創出する。27年度から整備に着手し、うずま公園は28年度、瀬戸河原公園は29年度までに完了させる。
うずま公園は設計に300万円、工事に5700万円を計上した。トイレ洋式化やベンチ更新(背伸ばしベンチに更新)のほか、敷地南部の広場をカラー舗装化し、橋面舗装もバリアフリー化改修を行う。
また瀬戸河原公園は、設計に200万円、工事に3800万円を計上し、トイレ洋式化や遊具の複合化更新、水飲み場のバリアフリー化のほか、敷地南部の広場を芝生化し、橋面舗装もバリアフリー化する。
嘉右衛門町伝建地区では、中央部に交流空間ゾーンとして広場(A4000平方m)を整備するほか、利便性の向上を図るために地区北東へ駐車場(A1630平方m、約60台)を設置する。25年度から29年度までに整備する計画で、設計に3390万円、用地および補償に6340万円、工事に6億7240万円を計上した。
施設中央に残されている味噌工場跡地の煙突(1カ所)、炉(1カ所)、窯(3カ所)については、これら歴史的遺構をモニュメントとして再整備し、拠点施設のシンボルとする。26年度から29年度までの期間で整備し、設計に1000万円、工事に10億円を計上した。
室町地内にある(仮称)旧栃木警察署跡地広場(A5144平方m)は、観光の起点となる交流の場を整備する。多目的広場や駐車場(50~70台)、トイレ、休憩施設を25年度に整備する方針で、設計に2000万円、工事に2億0500万円を計上した。
市役所近くの道路では、高高質空間を整備する。巴波川沿いの常磐橋周辺の巴波川遊歩道(W2m、L115m)は、半たわみ性舗装(A230平方m)や擬木柵(L115m)設置を行う。26・27年度に整備し、設計に700万円、工事に1400万円を見込んでいる。
市役所南東の近龍寺周辺の市道11157号線(W4.5m、L270m)でも、半たわみ性舗装(A1194平方m)を実施する。28・29年度に整備する予定で、設計に700万円、工事に5000万円を配分する。
栃木文化会館(とちぎ岩下の新生姜ホール)は、整備基本計画によると大小ホールや舞台設備等の改修、トイレの洋式化と増設、あさひ公園の駐車場への整備、ユニバーサルデザイン化、太陽光発電設備や蓄電池の設置などを行う。設計は26年2月までに策定し、工事は26年7月から28年9月までの期間で実施する。工事費は、64億3000万円と試算している。
市街地整備促進に向けては、中心市街地まちなか整備検討事業で、具体的整備方針や整備手法等を検討し、市街地開発事業等で都市機能の更新や整備・改善を図る方向性を盛り込んだ(仮称)まちづくり基本計画を策定する。26年度に策定する予定で、1000万円を計上した。
このほか地域の活性化に向けては、改修費の一部を補助する空き家活用出店促進事業を26年度から29年度に行うため、2400万円を計上。JR栃木駅北口から室町交差点までの大通りで四季を感じられる植栽(20カ所)を整備する蔵の街大通り〝花〟やか事業は25年度に実施する計画で、400万円を計上した。